落差90mの百四丈滝(ひゃくよじょうのたき)。冬には氷壺ができ、面白い光景を見ることができます。
4年前に行きましたが、前日降雪のためラッセルで時間切れになり、その翌日リベンジするも、滝壺への下降道が目前で雪崩てさすがにやめて、3度目のリベンジです。
そして、念願の、氷壺の深淵を覗くことができました!
氷壺は、想像以上に大きくて、氷瀑の仲間としても異色で、滝水を浴びながら壺の周囲を歩くのもエキサイティングで楽しくて、滝壺までの登山の景色もよく、全てが最高でした。
※雪庇の真横を通る危険ルートであり、滝壺に下る道は雪崩多発エリアです。有名になり人は多いですが、慎重な判断をして下さい。
場所:石川県白山市
日程:2023年3月20日、1人
獲得標高:2523m
距離:19.7km
出会った自然の絶景
朝が訪れる時間は静かでとても好き。
シュカブラと四塚山。
山が育んだ百四丈滝。
単体だと伝わらない氷壺の巨大さ。小さな人がいるのに気付くだろうか。
目の前で見ると、その巨大さにただ驚く。


氷壺の深淵。
登山計画
2日前の天気は雨でしたが、登山口のスキー場では雪もちらついたようで、山の状況が全然わからない…積もってたら雪崩れるから厳しいかとモンモンと悩んでましたが、前日に滝壺に行った人のレポきた!雪崩れる分は全部雪崩たと思われますが、気温の上昇に伴い油断はできないので、状況を見て引き返す覚悟も持ちながら当日を迎えました。
ルート
03:20駐車地→07:20奥長倉避難小屋→08:30百四丈滝降り口→09:00滝下、40分堪能→09:40登り返し→10:40滝降り口→13:50駐車地
登山時間:10時間30分(標準コースタイム14時間と予想)トレースの有無、雪の状態で時間は大きく変わります。
駐車場
一里の温泉スキー場の少し先のスペースに駐車しました。8台ほどは停めれそうですし、少し戻れば広い駐車場があるので、停められないことはないです。
この日は先行車2台。
登山装備
- 服装上(インナー、半袖、防風ソフトシェル)
- 服装下(スポーツタイツ、厚手防風ズボン)
- 足元(冬靴、ゲーター、アイゼン)
- バラクラバ、キャップ
- サングラス
- インナー手袋
- タオル
- カメラ(α7II、SEL24105)
- 三脚
- ピッケル
- ドリンク(ハイドレーション3L)2L使用
- 食事(行動食、パン、ソーセージ)
予備装備
- ツェルト
- 防寒着上
- レインウェア上下
- 冬用手袋
- 救急セット
合計11.3kg。ワカンを持っていくか悩みましたが、急登が多くアイゼンのみで十分でした。夜にはガチっと凍るので、積雪がなければワカンは不要な印象です。
登山
前日は瀬名の道の駅で車中泊し、ぐっすり寝てからのスタートです。トイレも綺麗でウォシュレットもあり良い道の駅。
駐車地→避難小屋
03:20駐車地出発。ほぼ新月で星が綺麗な夜です。この日の白山市の気温は-1度〜14度で、スタートの温度は0度でした。
イッテQで放送されてから大勢の人が入っているので、踏み跡はバッチリで迷うことはありません。ガチっと固まったトレースをアイゼンでガシガシ登ります。


導水管の終わりに壁のような急登がありますが、下から見て右側を登るべし。左側から行きましたが、ピッケルがないと危ないかもしれません。この壁を越えればひと段落。
05:00夜が終わりを迎えようとしています。眺望が良くなってきました。
ヘッドライトがいらなくなり、ほのかな明かりを頼りに登るのは大好き。踏み跡の高速道路げ本当にありがたいです。
左後ろの遠くに見える大笠山と笈ヶ岳が目に止まります。幾度となく足を止め、その姿を見ながら一歩一歩。
何て美しい時間なんでしょう。
稜線まできましたら、抜群の眺望です。ずっと美しく見え続ける四塚山のお出まし。
ここからはアップダウンの繰り返し。
比較的広い稜線ですが、一部狭い部分もあり、雪庇の真横や、むしろ上を通るルートになっている場合もあるので、雪が緩む時間帯には注意です。
06:00太陽おはよう!いい天気だね!
あと大地の先にあるのか。遠いなおい。
07:20避難小屋到着。小屋があるのにテント張る人もいるのかとびっくり。雪崩の心配は続いていたので、先行者がいることにとても安心です。
避難小屋→滝壺
後ろを振り返るとこれはこれで素晴らしい景色。ただ、今日の目的地の絶景はこんなもんじゃないぜ。
四塚山もカッコ良いからいつか行きたい。拡大すると真ん中より下ぐらいに滝の落口がチラッと見えてました。
ついにきたラスボスの美女坂。壁やん。この先には楽園が待ってます。
締まった雪の階段で最高に登りやすいですが、それでもしんどい。4年前はここをラッセルで行ってたと思うとよく頑張ってたな。笑
今日はにっくき花粉はいないのか、遠く北アルプスまで綺麗に見えます。
楽園到着。もうここからは楽。気持ちの良い散歩道です。
先行者が戻って来ています。話を聞くと、滝壺まで行けたとのこと。これで滝壺まで行けることが確定!ルンルンで向かいます。
シュカブラと四塚山。
08:30ターゲットをとらえた!ストックからピッケル に装備変更し、いざ!先行していた宿泊組は6人ほどいました。
下るのは楽ですが、登るのは大変そうだなーと思いながらも、氷壺を前にテンションが上がります。
今年はよく育ってるんじゃない⁉︎
最後の下りは急です。雪崩れている箇所は凍っており、スリリングな滑り台のようです。アイゼンを効かせながら、雪崩にも注意してなるべく先行者の踏み跡をたどります。
念願の百四丈滝の氷壺
09:00滝壺到着。想像していたよりでかい。落差90mの滝なので、40mぐらいあるのか?
生で見ると迫力が段違いです。写真では全然伝わらない!とにかくでかい。
横には立派な氷柱がありますが、昨日一部大崩壊したようです。
よし、いざ深淵を覗きに行きましょうか。
滝水でびしょ濡れになる情報があったためレインウェアも持って来ましたが、今日は風がなかったのかそのままの格好で行けました。それなりには濡れますが、びしょ濡れってわけではないです。
生クリーム部分は雪かと思ったらガッチガチの氷。アイゼンが効くので怖くはないですが、落ちたら助からない高さですね。
水が吸い込まれていってる。
深淵を覗くの怖いけど、楽しい。降りては登ってを繰り返して40分ものんびりしてました。
氷壺を堪能した動画です。深淵覗きは動画でも怖いですね。
シビれる自然の造形美。#百四丈滝 pic.twitter.com/uaWrqRTxUR
— Ken (@Ken_enjoy) 2023年3月20日
滝水が作った氷の彫刻も、人や天使の羽に見えて面白い。


沢登りでは、この丸石谷を詰めてきたのですが、景色違いすぎてよくわからんですね。
10月の時点で凍っていて、爆風でびしょ濡れになったのをよく覚えています。
滝壺→下山
09:40この素晴らしい絶景一人で貸切とか最高すぎて、いくらでもいれますが、暖かくなり雪が緩む前に帰ります。
さらば氷壺。
自然って面白い。


伝わりませんが、かなり急登です。足を滑らせると、下まで一直線だろうけど、ピッケルでちゃんと止まれるだろうか。
直登は無理なので、ジグザグジグザグ、先行車のトレース階段も使いながらなるべく早めに離脱。
急登が終われば、雪崩てないポイントなのでもう安心です。とはいえまだ登るのはしんどいですけどね。
人と並ぶとその巨大さが明確です。人わかるかな?
10:40降り口まで戻ってきました。ここまで来ればもう安心。白山が作る氷壺の絵は好きな構図。
その先に流れていく。
スリリングな景色の余韻に浸りながら、のんびりと景色を楽しみます。
実は雪庇はあまり大きくないので、ギリギリまで寄れて、楽園について比較的すぐに百四丈滝は見えます。
団体さんきました。スキー靴だったけど、どこからきたのだろう?私の登ったルートにスキーのデポは見当たらなかったです。
後はこの長い道を戻るだけ!
美女坂も降りるのは楽しいもんです。
いつになると辿り着くのか長いです。雪はまだ良く絞まってますが、時々ある登りがこたえます。


景色は良いですが、暑くなってきました。


導水管まで来たらもうちょいと言いつつも結構あるんですよね。
13:50駐車地到着。
長い登山は4ヶ月ぶりでしたが、足の筋肉は衰えないのか、全盛期レベルに元気に楽しめました。念願の氷壺の目の前に行けて、深淵を覗くことができましたし、最高の登山になりました。
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
ノースフェイスのカメラバッグ
α7IIの寒冷地性能は貧弱なので、氷壺付近の爆風地点では、5分に一回温めたバッテリー交換が必要でした。
この画角が便利すぎる。SEL24105F4。
登山装備
値段は高いが、それに見合う素晴らしいソフトシェル。防水ではないですが、防風性能は高く、よっぽどの爆風でない限り雪山でも活躍しています。2015年に購入し、既に7年使っても新品同様の丈夫さ。
さすがファイントラックの優秀なソフトシェル。防水ではないですが、雪はつかないし、防風性能は高いので、雪山でも基本これで行けます。
アクティブスキン上下は雪山必須装備です。汗冷えを感じません。
ストックはBDのトレイルプロショック
インナー手袋はスマートウールのこれ。雪はつきにくく、雪山であっても、終始これだけの時が多いです。
サングラスは、E-NOX EIGHTの調光レンズ。縁がなく視界性抜群です。
その他関連記事
2019年にも一度行きましたが、目前で雪崩れたため、滝壺まではいけずでした。
秋に沢登りで行きました。kuromenboo.hatenablog.com
特に印象に残った登山まとめ
過去の登山まとめです。
kuromenboo.hatenablog.comkuromenboo.hatenablog.comkuromenboo.hatenablog.comkuromenboo.hatenablog.com