毛勝谷雪渓から登り、毛勝三山(毛勝山、釜谷山、猫又山)、後立山連峰の景色を堪能し、猫又谷雪渓から降りる、残雪期限定の最高のルート。時間、距離は非常に長いが、楽しめる時間がそれだけ長いということ。最高かよ!と雪渓をこれでもかと堪能し、稜線からの雄大な景色を感じられる、また行きたくなるルートでした。
日程:2023年5月2日、1人
獲得標高:2482m
距離:24.5km
登山時間:11時間15分(標準CT14〜15時間と予想)
出会った自然の絶景
下から見る毛勝谷。これを詰めるのかと思うとワクワクが止まらない。
もうザックを下ろせない斜度。太陽が届いてきて何とも美しい光景。
毛勝谷大詰めで振り返った景色。僧ヶ岳も登りたい。
真ん中が毛勝谷。あの斜度を登ってきたの?
毛勝山からの景色。
毛勝山から見る、釜谷山、猫又山、これから行く稜線。
猫又山に来てやっと雲から姿を現した剱岳。やはり男前。
猫又谷。さぁ、滑走(滑落?)の始まり。
帰りの林道にいた洞杉。でかい。
登山計画
有磯海SAで3時間ほど睡眠(仮眠?)をとり、いざ登山口へ。
ルート
04:10駐車地→04:50片貝山荘→09:20毛勝谷終了→09:40毛勝山→10:45釜谷山→12:00猫又山→12:20猫又谷下降開始→13:50林道→15:25駐車地
登山時間:11時間15分(標準CT14〜15時間と予想)
駐車場
片貝第四発電所の空き地に駐車。ここから先は通行止めでしたが、片貝山荘のすぐそばまで雪はなかったです。
登山装備
- 服装上(インナー、半袖)毛勝谷の最後にレインウェア
- 服装下(厚手防風ズボン)
- 足元(3シーズン靴、ゲーター、アイゼン)
- キャップ、ヘルメット
- サングラス
- インナー手袋(ヒップソリ時にテムレス)
- タオル
- カメラ(α7Ⅲ、SEL24105)
- 三脚
- ピッケル
- ドリンク(ハイドレーション3L)2.5L使用
- 食事(行動食、パン、ソーセージ)
- ヒップソリ
予備装備
- ツェルト
- 防寒着上下
- レインウェア上下
- バラクラバ
- 冬用手袋
- 救急セット
登山
駐車地→毛勝谷終了点
車を降りると、少し雨…え、聞いてない!まぁ晴れ予報だから、昨日の夕方からの雨の名残か…。非常に小雨なので、カッパも着ずそのまま出発。気温は7度で思ったより寒くないので、上着はなしです。
04:10登山開始。歩きやすい林道をひたすら進み、片貝山荘を越え、林道が終わる手前ぐらいで雪が出てきました。
雪が出たところで、アイゼン装着。
雪渓はしっかり仕上がっています。手前の方はスノーブリッジは壊れていますが、通行の問題になるような箇所はなく、まだまだ登れそうです。
スノーブリッジがなくなると、雪崩た跡のデブリーランド。冬は絶対に踏み入れちゃいけない場所で、川の上を進めるのは、新鮮で楽しい。猫又谷側は土の表面ごと雪崩ている箇所はありましたが、こっち側は雪崩ている箇所はなかったです。遠くに見える毛勝山が良い。
毛勝谷と大明神谷との分岐。
これは大明神谷。十分に登れそうで、こちらも楽しそうですが、今日は予定通り毛勝谷に向かいます。先行者も毛勝谷に入って行きました。
毛勝谷を詰めて行くと、上の方が白い…お、霧氷だ。昨日は雪が降ったかもと思っていましたが、風もあり霧氷が育ったようで、ラッキー。
徐々に斜度が増してきてます。いざ、毛勝谷。
詰めるにつれて急になり、もうザックをおろすことも難しくなってきました。デブリでできた窪みでストックからピッケル に装備変更して、いざ急登へ!
続々と登って来ています。最終的に1人に追いつかれました。
ひたすらに登りますが、斜度がきつく10歩進んでは止まるの繰り返し。また、上の方まで来ると、前日の降雪の痕跡があり、氷の上に雪がついていました。雪崩が不安でしたが、そこまでは降らなかったようで、安心ですが、もし多く降っていたらと思うと、運が良かっただけですね。
太陽の光が谷に差し込んできて、陰影がすんばらしい。
久々に履いた3シーズン靴とアイゼンでの、急登が良くなかったようで、靴紐を締めてもかかとよ靴擦れがおき、一歩一歩がしんどい…。八の字、スリーオクロック、ナインオクロック、色々試してもイマイチ靴擦れが辛い。斜めにジグザグ登る何とか靴擦れ防止しながら登ります。
毛勝谷の終わりが近づくと斜度が緩くなり楽になってきました。振り返ると僧ヶ岳、遠く魚津の街並み、ちっちゃな登る人、いい景色です。
ラストスパート!斜度も落ちて来たし、寒くなって来たので、ここで防寒用にレインウェア上を着ました。
09:20毛勝谷登り切りました。昨日爆風だったのか霧氷。まさかこの時期にもまだ見れるとは思いませんでした。
毛勝山〜猫又山
登りきると、剱岳が、見えない!が、素晴らしい眺望です。
恥ずかしがり屋の剱岳。雲ひとつない景色より雲がある方が好きですが、顔を見せておくれー。
まずはすぐそこの毛勝山に登っておきましょう。
09:40毛勝山到着。昨日の降雪で3cmぐらい積もってて最高!一番乗りで、この時期には珍しい新雪を踏みしめます。
霧氷と僧ヶ岳。まだ登ってないので今度行かなきゃな。
少し乗り出すと、登ってきた毛勝谷が見えましたが、上から見ると登れると思えない斜度です。人が写ってないとわかりにくいですが、小さいながら足跡が見えます。
毛勝谷、僧ヶ岳、良い景色です。
続々と登って来ています。本日の登山者は、自分を入れて7人ぐらいでしょうか。
毛勝山南峰付近にスノーモンスターが沢山いて見応えがありました。
この時、毛勝谷を登りきれば、後は稜線歩いてサクッと下山するだけかなーと思ってましたが、駐車地までの距離が、とにかく、長かったです。
雪庇がすごいし、道は所々割れてるし、これ地面が急に崩壊しないよな?と思いながらも楽して崩れてる側を進みます。
縦走路はそこまで急登ではないし、足はまだまだ元気。途中から(むしろずっと)見える後立山連峰の山々が美しすぎます。欅平駅はあの間にあるのかと、水平歩道を歩いたことを思いながら眺めます。
10:45釜谷山到着。釜谷山からの景色は特に素晴らしいです。
ここで昼飯。とは言っても常に少しづつ食べながら登ってるので、景色堪能休憩みたいなもんです。
どの山もやべぇカッコ良いのですが、唐松岳のかえらずのけんのギザギザが好きです。
ラストピーク猫又山へ。剱岳さん、そろそろ顔出して良いのよ?
途中に急登と呼ぶには斜度がありすぎる壁がありました。壁が固く、アイゼンは入りにくいし、滑ったら木に当たりそうだしで、この山行の中で1番緊張しました。ピッケル出すのを面倒くさがってストックで行くのが間違いだったのだけどねー。
12:00猫又山。11月に一回来て、大猫山まで縦走したのを思い出し、大猫山までの道はヤッブヤッブだったのが印象的でした。
やっと姿を現したか剱岳!
猫又山〜猫又谷〜駐車地
後は猫又谷に行って下りまくるだけですが、猫又谷への尾根の分岐が非常にわかりにくく、少し彷徨いました。何も考えず行くと左側の尾根に入ってしまうのですが、右側の藪に突っ込むのが正解でした。
藪に突っ込んだ後、振り返った写真。踏み跡とか消えてたし、ここがルートとは思えない道でした。大きな岩が目印です。
ここまで来ると剱岳の男前度が高すぎます。縦走で歩いてみたいものです。
サックサックと下れば猫又谷です。
12:20猫又谷到着。いざ、ヒップソリ準備!満を持して行ったるでー!という気持ちはすぐに消し飛びました。いや、無理!滑ったとしてどうやって止まるよ?無理だ。ごめん。
せっかく持って来たのでちょっと乗って、みましたが、滑落停止練習みたいなことになってます。完全に乗るのは無理なので、両手両足で減速しながらぐらいが丁度良かったです。
斜度が落ちて来て乗りやすくなったのですが、今度は落石がこえぇ。アイゼンで引っ掛けたら足折れるんじゃね?と注意を払いながら積極的にヒップソリ。
後は長ーい雪渓歩きと、林道歩き。若干川は見えてますが、まだまだ川は埋まっており、不安な箇所はありません。
猫又谷を振り返る。1人、テント泊装備で登って行ってました。
道は自由なようで決まっているような感じで、サクサク下山。
踏み抜いたー!下は川ではないですが、地面がなくなる感覚はびびります。
13:50林道到着。舗装された道をひたすら歩くだけですが、意外にも見どころがあり、そんなに飽きることはないルートです。
途中に若者が5人ぐらい座っていて、え、何こんな車も入ってこれない場所で何してるんだ?と思っていると、洞杉の観光地だったようですが、往復10kmを良く歩いてきたなと関心。しんどくて周遊コーススルーしちゃったのですが、道沿いにもとても立派なのいました。
龍石。その昔、洪水の原因は龍と信じられていたのだとか。確かに珍しい石。これは道を逸れてすぐにあります。この川で装備をもろもろ泥落とし。
カタクリさんもいました。
この水たまりは何と、両生類の棲家なんだって。カエルの卵塊だけでなく、サンショウウオも暮らしてるみたいで、観察が楽しい。
とか色々観察してると洞杉観光の駐車場まで来ました。下の道路が通行止めで、今の時点ではここまで車で来れません。
15:15やっと帰ってきましたー。10時間を越える山行は、山への没入感が高く、やはり良いものですね。また長い登山に行くぞー。
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
ノースフェイスのカメラバッグ
α7Ⅲは寒冷地で十分使用できるので安心です。
登山の時はいつもSEL24105F4!
登山装備
値段は高いが、それに見合う素晴らしいソフトシェル。防水ではないですが、防風性能は高く、よっぽどの爆風でない限り雪山でも活躍しています。2015年に購入し、既に8年使っても新品同様の丈夫さ。
今日履いたズボン。さすがファイントラックの優秀なソフトシェル。防水ではないですが、雪はつかないし、防風性能は高いので、雪山でも基本これで行けますし、残雪期でも暑くなることなく活躍してくれました。オススメ。
アクティブスキン上下は雪山必須装備です。今日は使ってません。汗冷えを感じません。
ストックはBDのトレイルプロショック
インナー手袋はスマートウールのこれ。雪はつきにくく、雪山であっても、終始これだけの時が多いです。
サングラスは、E-NOX EIGHTの調光レンズ。縁がなく視界性抜群です。
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2019年にも一度行きましたが、目前で雪崩れたため、滝壺まではいけずでした。
秋に沢登りで行きました。kuromenboo.hatenablog.com
特に印象に残った登山まとめ
過去の登山まとめです。
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