LIFE LOG(自然と遊ぶ)

自然と遊ぶ

登山の楽しさ、美しさを伝えたい。登山、写真。

残雪の笈ヶ岳(おいずるがだけ)〜日の出を狙って日帰り夜間登山〜(2025年5月、石川県)

登山道がないため、雪がなければ辿り着けない。また、標準CT14時間と、冒険心をくすぐられる山なので、二百名山の中でも困難と言われています。

山頂から日の出を見ようと、暗闇の中足跡を辿って登り、薄明かりで見えてくる笈ヶ岳。そして、霞雲の中現れるまんまる太陽。山頂から見える白山はやっぱりカッコ良い。
マンサク、カタクリ、イワウチワ。山毛欅尾山(ぶなおやま)付近はお花が咲き乱れ、長い山行も苦にならずに楽しめました。

場所:石川県

日程:2025年5月5日(月)祝日

獲得標高:2305m

距離:19.5km

登山時間:11時間10分(標準CT14時間20分)私は早い方なので、標準CTを参考にして下さい。

登山レベル:上級(初級、中級、上級で分類)登山時間が長く、道も不明確、雪の状況次第で難易度も変わり、アイゼンワークも必要なため上級と判断。

心踊る自然

かわたれ時、ぼんやり見える白山。f:id:kuromenboo:20250508055544j:image

まんまる太陽。焼けなかったのは残念。
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笈ヶ岳から見える白山。
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龍に見えた雪形。
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はるか向こうに見える笈ヶ岳。
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マンサク。派手ではないけど好き。
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カタクリ。とても長い距離咲き乱れていた。
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登山計画

ルート

雪は十分で藪漕ぎはなし。すぐに登れなくなるような雰囲気はなかったです。

23:30駐車地→01:50山毛欅尾山(ぶなおやま)→05:30笈ヶ岳→09:05山毛欅尾山→10:40駐車地

登山時間: 11時間10分(標準CT14時間20分)

駐車場

白山一里野RCプラザ。広い駐車場有。

登山装備

  • 服装上(インナー、半袖)山頂付近でレインウェア
  • 服装下(タイツ、半ズボン)
  • キャップ帽子
  • 足元(3シーズン靴)
  • チェーンスパイク(アイゼンなしでも行けたが、アイゼンも持っていくことをお勧めする)
  • 手袋(インナー)アウターもあった方が良かった。
  • ストック
  • サングラス
  • カメラ(α7Ⅲ、SEL24105F4)
  • 三脚
  • ドリンク(2.8L)2.0L使用
  • 行動食(ゼリー2、バー3)
  • 朝ご飯(おにぎり)

山頂付近で使用

  • レインウェア上

予備装備(使用せず)

  • ゲーター
  • アイゼン
  • レインウェア下
  • ダウン上
  • 救急セット
  • ツェルト2

登山

瀬名の道の駅で1時間ほど仮眠をとり、23:30出発です。太陽が昇る前のゴールデンタイムは最高なので、夜間登山は好きですが、眠気を堪えて登山開始するまでが核心です。ちょっと仮眠しちゃおうかなという誘惑に負けず、登り始めてしまえば、目は冴えます。

正確に調べずに来たので、橋があるのかと思っていたら、橋はなく、梯子を降りて高い堰堤を歩いて向こう岸へ。暗闇の中でのこれは中々スリリングでした。


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始めは雪はないですが、少しずつ雪が出てきます。暗闇だとルートロスしやすく、不明瞭な道の夜間登山は危険ですね…。


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山毛欅尾山まであと半分ぐらいの所で、チェーンスパイク装着。この時間の雪は硬く、チェーンでもよく効きました。
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山毛欅尾山付近からはほぼ雪道ときどき夏道ですが、十分に残雪があり、道が藪で埋まって大変ということはありませんでした。冬瓜山付近からは全て雪道です。

トラバース箇所はありますが、崖はなく、チェーンスパイクで十分でした。(アイゼンも念のため持って行ってましたが、必要と思うことはなかったです。ただ、この日すれ違った人のほとんどはアイゼンだったので、安全側の装備の方が良さそうです。)
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04:10真っ暗闇が終わり、薄明かりが心地よい時間で、笈ヶ岳が見えてきました。暗闇では何も景色が見えませんでしたが、山毛欅尾山からずっと景色はよく、白山が見え続ける良い道です。
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降って登れば笈ヶ岳はもうすぐです。この辺りから風が強くなり寒くなってきたので、防寒着としてレインウェアを着用です。
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やはり、白山はカッコ良い。
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快晴だったので朝焼けを期待していましたが、焼けることはなく、柔らかい光に包まれていました。これはこれで心地よい景色です。
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04:55太陽おはよう!霞雲のおかげで、日の出が遅れてくれて、太陽が顔を出すのを拝むことができました。f:id:kuromenboo:20250508210630j:image

このピークは小笈ヶ岳。この先が本丸です。景色はかなり開けており、素晴らしい道です。
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柔らかい光に包まれる白山は美しい。
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通ってきた道を振り返る。夏は藪に埋もれ、雪がある時期しかこれない、笈ヶ岳、冒険感がたまりません。
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小笈ヶ岳から見る笈ヶ岳。
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05:30笈ヶ岳到着。
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大笠山。以前登りましたが、この山も良い山でした。冬に縦走したら楽しそうです。
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何度でも見ちゃう白山。
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今日は少し霞がかってますが、街、海までうっすら見えます。
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さくっと下山しましょう。まだ6時という不思議な感覚。この時間ではまだ雪が硬く、残雪期のしゃりしゃりとした気持ちの良い降り方ができません…。
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登り返しもありますが、登山から6時間経過しても不思議に体は元気で、何の苦もなく気持ちよく歩けました。
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龍だ!頭も、小さな手もある!
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シリタカ山、冬瓜山の稜線を行けばこのトラバースは通らないのですが、そっちは藪多めらしく辞めときました。
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ツリーホールも面白い現象ですね。積雪量は1〜2mぐらいでしょうか。
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雪崩の巣。7時前だとまだ雪は硬く今崩れる雰囲気はないですが、急いで通過。
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テント発見!トラバースルートの奥の開けた場所に3張ありました。この日は、20人ぐらいとすれ違い、それなりに人気な山なのだと実感。この時間に降ってくる意味がわからないようで、23:30に出発したというとみんな驚いてました。笑f:id:kuromenboo:20250508210609j:image

ほぼずっと横から見守っている白山。向きが変われば顔も変わり色々な姿を見せてくれます。

8時ぐらいになると雪が緩んできて、とても降りやすくなってきました。登る人は登りにくそうですが。
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倒木かと思っていた木からマンサク。雪深い山で芽吹く春は美しいですね。
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登る時は真っ暗で何も見えませんでしたが、遥か遠くに見える笈ヶ岳、そこまで行くぞー感がとても良いです。
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さらば、笈ヶ岳。一回登れば良いかと思ってましたが、終始景色がよく、アップダウンも苦ではないレベルでまた来たくなる良い山です。
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雪を辿ってサクサク下山。
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10人ぐらいの集団がいると思ったら、テント泊勢かな?ツアーだとしても、笈ヶ岳の案内は、個人の力量がわからないと大変ですね。
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山毛欅尾から少し降った所から、200mぐらいカタクリロードでした。中々圧巻でどの子を撮ろうかなーとのんびり。白いカタクリは見当たらず…。
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導水管のところにもカタクリちゃん。
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堰堤のところに猿の集団がいました、あなたたちも通路に使ってるのね。堰堤がう◯ちだらけになっててトイレちゃうでー。
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10:40駐車地。

暗闇で始まる登山は、自分のいる場所、時間の感覚が曖昧になり無心で登れてしまったので、11時間と長い時間ではありましたが、実感としては長くなく、アップダウンも苦ではなく、気持ちの良い雪道歩きで、景色もよく、お花も咲き乱れ、色々と楽しめる良い山でした。

今回の山行で活躍した道具

カメラ装備

カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。

ノースフェイスのカメラバッグ

α7Ⅲは寒冷地で十分使用できるので安心です。

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登山の時はいつもSEL24105F4!

 
攻める山行の時は軽量化のためにこの三脚を使用。安定感が素晴らしい。

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登山装備

いつも愛用しているファイントラックのナノタオル。よく乾きよく吸う良いタオル。

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サングラスは、E-NOX EIGHTの調光レンズ。縁がなく視界性抜群です。

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値段は高いが、それに見合う素晴らしいソフトシェル。防水ではないですが、防風性能は高く、よっぽどの爆風でない限り雪山でも活躍しています。4年使っても新品同様の丈夫さ。

インナーはスマートウールのライナーグローブ。それなりに暖かく、スマホを触る感度も良いので愛用しています。

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今回はチェーンスパイクで行けました。アイゼンと比べて引っかからないので、付けても歩行の邪魔になることはなく使いやすい。

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ストックはBDのトレイルプロショック

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何かあった時のお守りツェルト2ロング。テント代わりにもなるので、買っといて損なし。

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