東天狗岳からの日の出を狙って、唐沢鉱泉から夜間登山。そう簡単に太陽は拝ませてくれませんでしたが、ガスだからこそ見れる景色は美しく、下山中に見えた八ヶ岳の景色は絶景でした。
場所:長野県(八ヶ岳)
日程:2020年12月23日(水)
獲得標高:1001m
歩行距離:9.5km
登山時間:6時間20分
出会った自然の造形美
朝焼けがガスを照らし、ピンク色の世界になった。刻々と変わる色の変化は面白い。
ガスの間だけを照らす太陽。劇場を照らすスポットライトのようだった。
ガスの中に差し込む強い光。ガスに乱反射して周り全体はボワッと明るい不思議な世界。
ブロッケン現象と白い虹。人生2度目のレア現象に心躍る。
西天狗岳から見る東天狗岳。ガスの中からやっと拝めた姿はカッコ良かった。
展望台から見る八ヶ岳最高峰赤岳。白い衣を纏った木々が、山を引き立てており、美しい。
日程と装備
ルート
【登り】04:40唐沢鉱泉発→06:20黒百合ヒュッテ→07:40東天狗岳
【のんびり】07:40東天狗岳→08:00根石岳→08:35東天狗岳→25分のんびり
【下山】09:00発→09:15西天狗岳→11:00唐沢鉱泉
登山時間:登り3時間、1時間20分横道、下り2時間
駐車場
唐沢鉱泉に駐車しました。そこまでの道は凍結しており四駆が必要という情報がありましたが、私の車は二駆…何とか行けましたが、一度止まるとスタックするので注意です。
装備
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行動着上(インナー、長袖、フリース、ソフトシェル)下山は、フリースとソフトシェル脱ぎました。
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行動着下(インナーx2、防風ソフトシェル)インナー1枚で良かったかな。
- 足元(冬靴、ゲーター、アイゼン)
- 手袋(インナー、マトンソフトグローブ)雪がパウダーのためか、ソフトグローブでも濡れなく行けました。
- カメラ(α7IⅢ、SEL24105、バッテリー予備1個は未使用)
- 三脚
- ドリンク(水筒0.8L+予備1.0L)0.8L使用。
- バードシェル上下(使用せず)
- ダウン上下(使用せず)
- 小物(ヘッドライト、救急セット)
- ツェルト(使用せず)
- 冬用手袋2個(使用せず)
- ゴーグル(使用せず)
- サングラス
- 食事(行動食)
料金
- 石川からの高速代往復:7060円
- 唐沢鉱泉:700円
登山
唐沢鉱泉→黒百合ヒュッテ
04:40出発。こんな時間に登る人はいません。赤岳側の展望台からの景色は明るい状態で見たいので、黒百合ヒュッテ側の時計回りで登ります。
こっちのルートは眺望が良くないので、こちらから登って正解でした。初めからアイゼンを装着して木々の間を進みます。
だんだん白いてんこ盛りに進化する木々。優しい傾斜の登山道をのんびりと登ります。
ちょっとだけ空が見えてきたら、黒百合ヒュッテはもうすぐです。
06:20黒百合ヒュッテ到着。温度計は-12度。思ったよりは寒くない印象です。もう太陽の光で明るくなってきても良い時間ですが、ガスに包まれています…
黒百合ヒュッテ→東天狗岳
山頂まで行けばガスがとれることに期待して、先に進みます。ここのクリスマスツリーが1番良かったです。
木についた氷が結晶の形に固まっています。気温が低いからこそでしょう、初めて見ましたが面白いですね。
中山峠を抜けると稜線で、日の出が見える位置ですが、ガスってやがる…
ただ、ガスの先に美しいピンク色の淡い光が!不思議な世界。
色はピンク色から橙色に刻々と変化しており、ガスでも楽しいです。
ガスの切れ間に光が差しています!太陽は見えませんが、劇場を照らすスポットライトのようで凄く良い。
このままガスが晴れるのではないかと期待!
稜線上は、難易度の低い岩と雪のミックスで、道は一本道で間違えようがないと思います。
橙色から黄色に変わる世界。背景全体の色が変わるので、これはこれでガスも良いです。
もうガスはとれるでしょう!と思いながら登りますが、焦らし上手なお山です。
07:40東天狗岳。ガスは晴れないまま山頂に着いちゃいました。
東天狗岳、根石岳散策
待っていてもガスが晴れる気配はないので、散歩がてら根石岳に向かってみます。
踏み跡はあるので道はわかりますが、明るいホワイトアウト。周りが白いと必死に道を探すので、それ以外の事は考えられず無心になれます。太陽は顔を出しそうで出さない…
08:00根石岳山頂。景色はもちろんガスの中です。東天狗岳に戻ります。
基本ガスの中ですが、強い光が差し陰影が生まれると面白い景色で、好きですよ。
強い光は一瞬で、基本はガスの中。景色は見れなくて、黙々と進みますが、この雰囲気はこれはこれで楽しいのが登山です。
終始ソフトグローブ+インナーです。雪はつきますが払えばとれますし、乾いているので濡れることはありません。撮影しやすいから便利。
08:35東天狗岳に戻ってきました。チラホラと人はいますが、ガスの中です。
時間が経つにつれてガスは薄くなり、太陽が見える時が増えてきて、ブロッケン現象+白い虹という面白い現象を見せてくれました。出現は一瞬!綺麗だ。(この写真だけiPhone12)
ガスの切れ間から見える眺望に息を呑みます。切れるのは一瞬ですが、だからこそより美しく見えるのでしょう。
東天狗岳→唐沢鉱泉
09:00下山開始。完全に晴れるのには時間がかかりそうなので、西天狗岳に移動することにします。
山頂が見えそうで見えないガス加減、嫌いじゃないよ!
09:15西天狗岳。
やっとガスが晴れて来ました!東天狗岳のお姿をゲット!イケメンじゃん!
赤岳方向はまだ雲海の中ですが、時間の問題でしょう。ここで待機して、景色を見たい気持ちもありますが、あまり時間もないので、下山します。
北アルプスもバッチリ。真ん中に槍さん。
綺麗な景色だなー。下山は左側の木の中に入っていくので、眺望は減りますが、2つある展望台からは絶景が見えます。
第二展望台。この稜線では赤岳方向が美しすぎるんですよ。まだガスの中ですが。
西天狗岳もカッコ良い。
木の中を青空の元気持ちよく下山します。
霧氷がありすぎて有り難みは薄いですが、撮っときましょう!
第一展望台。ガスが晴れて、美しい景色が見えます。素晴らしい。
天狗岳ももう完全にガスがとれました。この山は朝方はガスって、昼間は晴れる傾向にあるのかしら?
暑くなって来たので、上はインナー+長袖の薄手になりサクッと帰ります。
11:00唐沢鉱泉。ここから、温泉に行くために登ろうとしてスタックしました。前後進して何とか登れましたが、やはり二駆だと苦しいので、四駆かチェーンがいりますね。
今回下調べを念入りに行い、どこから日の出を見るのが1番美しいか考えて登りましたが、結局日の出は見れず…ただ、ガスの中で見える景色もまたすごく良かった!次は、夕日に照らされる赤岳の姿を拝みたいものです。
登山後の温泉
駐車場に使った、涸沢鉱泉。秘湯の一つに選ばれているようですね。700円。
誰もいなかったので、パシャリ。内湯2つ(熱めとぬるめ)と、奥に小さな滝があります。滝はまさかの冷たい!ですが、浴びました。
帰りに見えた八ヶ岳。カッコ良いね。
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
ノースフェイスのカメラバッグ
α7Ⅲ初導入!-12度環境でもバッテリー切れなし!α7IIの寒冷地性能は貧弱だったので、変えて良かったです。
この画角が便利すぎる。SEL24105F4
登山装備
値段は高いが、それに見合う素晴らしいソフトシェル。防水ではないですが、防風性能は高く、よっぽどの爆風でない限り雪山でも活躍しています。4年使っても新品同様の丈夫さ。
さすがファイントラックの優秀なソフトシェル。防水ではないですが、雪はつかないし、防風性能は高いので、雪山でよく使っています。
アクティブスキン上下は雪山必須装備です。汗冷えを感じません。
終始このグローブで行けてしまいました。もちろん防水の雪山グローブは必須ですが、カメラ撮影がしやすく最高です。