朝2時に出発し、何とか間に合った笠ヶ岳のモルゲンロート。徐々に朝焼けに染まる男前な笠ヶ岳の山容は最高に美しい。雲海から飛び出た山頂からは、360度の大展望で、穂高連峰を望むだけでなく全てが最高な山行でした。
場所:長野県
日程:2020年10月11日(日)
獲得標高:2230m
歩行距離:22.4km
登山時間:9時間40分
出会った自然の美しさ
太陽が登る前、穂高連峰から後光が射しているような青白い光はとても幻想的。
笠ヶ岳のモルゲンロートとビーナスベルト。だんだんと色づいていく笠ヶ岳に目を奪われた。
杓子平カール。大規模な自然の造形美とその先に広がる雲海は最高だ。
紅葉と槍ヶ岳。
日程と装備
ルート
02:00駐車場→3:00笠新道登山口→06:00杓子平抜けた笠ヶ岳稜線→15分撮影→07:30笠ヶ岳→30分のんびり→09:00抜戸岳→11:10笠新道登山口→11:40駐車場
登山時間:9時間10分+30分撮影
登り:5時間30分(標準CT:8時間30分、0.65)
下り:3時間40分(標準CT:6時間40分、0.55)
駐車場
新穂高温泉の登山者用駐車場は、ここ市営第三駐車場のみです。250台駐車可能だけあって、02:00時点では空きまくりだったし、下山時にも空きはありました。
装備
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行動着上(インナー、半袖)
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行動着下(機能タイツ、半ズボン)
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足元(トレランシューズ)
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カメラ(α7II、SEL24105F4)
- 三脚
- ウィンドブレーカー、使用せず
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レインコート上下、使用せず
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ハイドレーション3L、2.5L使用
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ヘッドライト
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小物(救急セット、携帯トイレ)使用せず
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ツェルト(緊急用)使用せず
登山
日の出を狙っての登山なので、睡眠時間を確保するため、前日に道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」に移動して車中泊。車には、銀マットと毛布とマイ枕の3点セットで快適に3時間眠れました。
私はここの道の駅でよく車中泊します。なぜなら、トイレにウォシュレットがついているから!登山前の排泄は念入りにする必要があるからね。
01:00に起床し、コンタクトレンズ装着、しっかり用を済ませ、朝ごはん?を食べながら駐車場へ向かいます。
駐車場→笠ヶ岳稜線
駐車場についたら、少しガスっぽい。月がボワッと光っているのが見えます。思ったより寒くないので、上着を羽織る事もなく、登山中はずっと同じ格好の装備に準備を済ませ、02:00にいざ出発。10分程で新穂高センターに着きますが、ここはスルーして、1時間程の林道歩きで笠新道登山口へ向かいます。
林道は歩きやすいのだけれど、真っ暗な林道はどうもおばけの恐怖を感じてしまいます。いるはずはないのだけど、後ろに人がいるような気がして、振り向くけどもちろん誰もいなくて、何でか知らんけど、闇は怖いね。
03:00笠新道の登山口に到着。ここから本格的に登山開始。
登山道に入ってしまえば、おばけの恐怖はなくなり登山に集中。眺望はあまり良くない樹林帯を黙々と足元だけ見ながら登ります。まさかこんな時間に人がいると思わなかったですが、1人抜いて行きます。
ある程度登ると、いつのまにかガスを抜け、満点の星空が見えるではないか!月明かりのおかげで下界の雲海が肉眼で見えます。ただ、目では見えても手持ち撮影では写せなかったので、三脚を出してパシャリ。下界は雲海の中だ。
また、穂高連峰のシルエットと星空が美しく、三脚を使ってパシャリ。ここまで来るとずっと穂高連峰が見え、気分は上々です。
5時になると、穂高連峰側が青白く輝いてきました。後光がさすとはこのことか!太陽が登るにつれて、この輝きの色がどう変わって行くのか非常に楽しみな美くしさ。
05:20杓子平に到着。ここから笠ヶ岳の稜線を目指しますが、想定外だったのが、杓子平の中では穂高連峰の太陽側が見えなくなってしまうこと。ここにとどまって太陽を待つか、ダッシュで登り稜線まで行ってしまうか。太陽が登るまで残り30分…行こう!
体力温存なんて考えない、必死な登りで稜線を目指します。
とはいえ、太陽が登る前のゴールデンタイムの景色は美しく、足を止めて何度も振り返ってしまいます。
やべぇ明るくなってきた。ここにきてもう1人出会いました。「めちゃくちゃ天気が良くて、今ここにいることが最高だね」と、最高な気分を共有し、この人と一緒にモルゲンロートを見ることになります。
地球影とビーナスベルトが綺麗に見えてきた。稜線まであと少し頑張ろう!
これは、もう生まれる…。
笠ヶ岳稜線→笠ヶ岳
06:00笠ヶ岳が見える稜線に到着。笠ヶ岳モルゲンロートに何とか間に合いました。笠新道からここまで3時間で来れたのは、いい意味で想定外。一部だけ照らされる笠ヶ岳と、後ろのビーナスベルトが何ともたまらん。
太陽さんおはよう!今日もいい天気だね!
笠ヶ岳の頭にも日が射し、刻々と美しい景色は続いています。
男前な山容。朝早起きして、ここまで来て本当に良かった。
ビーナスベルトが美しく見れた時間は20分。眺めていたら、撮影していたら、そんな時間が経つのはあっという間。風はなく、太陽の光が暖かく、稜線に来てもとても快適です。
ここは雲の上の世界。どの方向を見ても街は雲の中で、山たちだけが顔を出しています。絶景のゴールデンタイムが終わったので、そろそろ、山頂を目指して登り出します。
杓子平。景色は十分過ぎる美しさなので、全然足が進まない。
太陽眩しいな。日焼け止めをつけ忘れたことに気付き、こりゃ焼けるなと思いつつどうしようもないです。
景色に酔いしれながら登っていたら、いつの間にか山頂が近づいて来ました。
新穂高ロープウェイだ。乗り口は雲海の中なので、ロープウェイに乗った人は、雲海から飛び出た時に現れる絶景に感動することでしょう。
地味に登りがしんどい。日の出を見るためにダッシュして、体力を使ってしまった分がきてます。
笠ヶ岳山荘。コロナの影響で、今年は営業していません。笠ヶ岳はコースタイム15時間なので、ここが営業していないと、日帰りで行くしかないので、健脚しか来れない状況です。
ブロッケン現象。こんなに最高な天気なのに、さらにサービス景色をもらえるなんて、最高だ。
ラスト一踏ん張り登るぞー。
07:30笠ヶ岳山頂到着。山頂は、360度の展望台が待っていました。
笠ヶ岳山頂
山頂からの大展望を楽しみます。全方向に雲海が広がり、街は曇り空なのでしょう。山の上は雲上の世界で、景色が最高だぞー。30分ものんびり堪能しました。
南側。
東側。
杓子平と穂高連峰。
登って来た道と、その先に槍ヶ岳。
笠ヶ岳→抜戸岳
08:00名残惜しいがそろそろ下山。
槍ヶ岳に続いているかのような道。穂高連峰がずっと美しく見えており、最高な稜線。
登って来た時は暗くて気付かなかったですが、杓子平の草紅葉が美しい。
さらば笠ヶ岳。この道めっちゃ良い。
下山しようかと思いましたが、近くに抜戸岳のピークがあったので寄り道することに。09:00 抜戸岳。ここには、寄り道して良かったと思える景色が待っていました。
これまで見えなかった槍ヶ岳の西側が全て見えるのだ。
山にかかる雲が面白いし、槍ヶ岳に続く稜線が丸見えだ。
抜戸岳→駐車場
本当にこれが最後の笠ヶ岳の景色。何度見ても美しい。
まずは杓子平へ下ります。こんな急な道をダッシュで登ったのかと驚愕です。10組程のグループとすれ違いましたが、日帰りでくる健脚がこんなにいるとは思わなかったし、12歳ぐらいの子供を連れた家族もおり、驚き。
杓子平を上から見て、その先の山並みまで見える景色も美しい。
既に笠ヶ岳が見えていたのか。登りでは暗かったし、急いでいたから景色が見えていなかったです。
下って来た道を振り返る。とても急だし、どこに登山道があるのかよくわからないな。
杓子平を過ぎると、だんだん樹林帯に入って来ました。ここからは真っ暗で全然見えなかった景色だ。
真っ暗でもシルエットは見えていた、穂高連峰が丸見えです。紅葉と、緑と、岩で3段紅葉…ではないか。
結構急。最近、下りで右足だけ良く挫くようになって捻挫しがち。集中してると大丈夫ですが、ゆっくり下っていて気が抜けていると挫きやすい。非常に困る。この下山で3回ぐらい挫きました。
紅葉と槍ヶ岳が美しい。登りでは真っ暗だったので、紅葉していることにも気付かなかったです。
樹林帯に入ると眺望はなくなり、黙々と下るのみです。
11:10笠新道登山口。ここに水場があるのはありがたい。汗をざばっと流し、スッキリした状態で林道を帰ります。
真っ暗な時は怖く感じた林道。明るいととても爽やかな道やないか!登山道には入らず林道を歩いて森林浴を楽しむ人達が何組かいました。無理せずそういう楽しみも良いね。
ない体力を振り絞り、ワープを使います。
11:40下山完了!ゆっくり温泉に入って帰りたいのは山々だが、家庭の事情で即帰宅。
標準コースタイム15時間の厳しいルートですが、開けた杓子平カールは気持ちよく、笠ヶ岳に続く稜線も良いし、笠ヶ岳のモルゲンロートは最高に綺麗。素晴らしい景色をありがとう。
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
ノースフェイスのカメラバッグ
α7IIは登山の相棒です。kuromenboo.hatenablog.com
SEL24105F4はSONYユーザー必携の扱いやすいレンズです。
登山装備
トレランシューズは、軽くて足運びが楽なので低山で大活躍です。他にも、攻めの登山の時は使っています。ただし、足首の守りは弱く、足を挫きやすいので注意。
何かあった時のお守りツェルト2ロング。テント代わりにもなるので、買っといて損なし。
新穂高からの山行
紅葉の涸沢カール日帰り。
冬の西穂高岳。