季節は厳冬期ですが、今年は暖冬で、もう残雪期のようなものなので、日帰りで別山に弾丸登山してきました。片道11kmの車道歩きは苦行ですが、一際高い場所から見る白山連峰、下界の景色は最高でした。
日程:2019年2月24日
獲得標高:2225m
歩行距離:35.5km
地図:詳細はYAMAPリンクをどうぞ(https://yamap.com/activities/3177864)
駐車場:冬は市ノ瀬への道路は通行止めなので、岩根神社のすぐ近くの通行止めゲートの前に駐車しました。
出会った自然のロマン
登山途中に見えた白山。山の模様一つ一つが巨大で見ていて全く飽きない。
別山への道。一部氷化した巨大な斜面に目を奪われる。
冬に、白山ではなく別山に登る人は少ないだろう。ほとんど人が来ていない場所にこそロマンを感じる。
別山から見る白山。小さく写る黒いものは人。山はなんて大きいのだろう。
登山計画
ルート
02:00駐車地→04:20市ノ瀬→04:50別山登山口→08:40チブリ避難小屋→11:00別山山頂→12:10チブリ避難小屋→13:30別山登山口→14:00市ノ瀬→16:40駐車地
登山時間:14時間40分(夏道コースタイム15時間50分)0.93
装備
- 服装上(インナー、長袖、ソフトシェル)
- 服装下(インナー、厚手防風ズボン)
- 足元(冬靴、ゲーター、ワカンorアイゼン)
- カメラ(α7II、SEL24105)
- ドリンク(サーモス0.75Lアクエリ、予備水0.5L)0.75L使用
- 手袋(インナー)
- 緊急用(ツェルト、防寒着上下、冬用手袋、ハードシェル上下)使用せず
- 小物(ヘッドライト、救急セット、タオル)ライトは使用
- 食事(コッヘル、バーナー、カップ麺)
- ピッケル
登山
駐車地→別山登山口
02:00駐車地発。前日は早めに寝て3時間ほどは寝れたので、元気です。すでに2台の車が駐車しており、前日から山に入ったようでした。
月明かりが明るくヘッドライトもいらないような夜。11kmの道のりを黙々と歩きます。運良くスノーモービルの跡があり、硬くなった路面なのでとっても歩きやすいですが、苦行です。
スノーシェッド付近では雪崩れている箇所がありますが、この冷え切った時間帯は追加で雪崩れる心配はなさそうです。
04:50別山登山口到着。2時間50分の長い道のりでした。(スノーモービルの跡がなかったら、もっとかかったでしょう)
別山登山口→チブリ避難小屋
夏道ではなく、この猿壁を直登します。雪は適度に締まっておりツボ足で行けました。
直登後はなだらかな尾根道を進みます。
やっと明るくなってきました。ラッセルは全くなく雪は締まってますが、雪はモナカ状態で10cmほど沈み歩きにくいのでワカンを装着しました。
とても良い天気で、後ろを見ると綺麗なグラデーションです。
動物の足跡がいい道しるべなので、跡を追って進みます。
白山に光があたり、最高に美しくなってきました。
別山から覗く太陽。目的地は遠いですが、なだらかな尾根をルンルン気分で進みます。
後ろを見ると、大長山と取立山。つい最近登った山を上から見下ろすのも面白いです。
左を見ると白山がドン。圧倒的な美しさ。雪山の醍醐味を感じます。真っ白とまでは行きませんが、山模様を眺めるだけでも幸せですね。
吹き溜まった先っぽもほとんど沈まないので、壊しながら楽しく進みます。
やっとチブリ避難小屋が見えてきました。
08:40チブリ避難小屋到着。ここで昼ごはんにします。9時ですが感覚的には昼です。
チブリ避難小屋→別山山頂
別山まであと少しです。ラッセルがあれば時間切れで無理だと思っていましたが、ここまでくればもう射程圏内です。
わずかですがシュカブラが見えてきました。
三角山の右下地点で、尾根を切り替えるためにトラバースが必要になるので、雪崩注意です。
傾斜も急になってきたのでアイゼンピッケルに装備を変更します。
トラバース地点。トラバースは雪崩れの危険度が高いため、注意しながらなるべく早く通過します。
トラバースが終わり、後は尾根を登るだけで一安心です。
先に見えるのは御舎利山です。ここが今回の山行一番の細尾根ポイントです。
左側は落ちれば直滑降の急斜面。その先には大きな白山が見えます。
遮るものは何もないので、しばしの撮影タイムに入ります。
この巨大さは実際に見ないと伝えられません。
雪山登山感ある写真ですね。
ここまで無風でしたが、すこーしだけ風が出てきて、地面は氷化して輝いています。
シュカブラも成長してきました。
あと少しで御舎利山。
相方は撮影を楽しむそうで白山側に降りて行きました。
私は別山に向かいます。
真っ白。氷化した部分は輝き、美しさを際立たせます。
氷化地面と雪模様が面白い。
11:00別山山頂到着。ここまで9時間の道のり、非常に長かったです。
この時期に、ここで手を合わせた人はいないのではないでしょうか?白山ではなくあえて別山に登る物好きは少なそうです。
霊峰白山のお隣山、別山。もちろん誰もいません。
別山山頂→駐車地
別山から見る白山。真っ白です。
岐阜方向。山の名前はよくわかりませんが、美しい。
三ノ峰方向。高いところまで登ってきたもんです。
もっとのんびりしたいところですが、時間がないので帰ります。白山をアップでパシャり。小さな黒いのは人です。やはりでかい。
御舎利山から白山。この縦走路はここから市ノ瀬に帰るより近いんだよなー。
下りの方が危険度は増すので、気を引き締めてはるか遠く目指して歩きます。細尾根は怖く見えますが、写真の通りちょっと怖いです。
12:10チブリ避難小屋到着。あっという間に下って来ました。別山よさようなら。
雪が緩んできて歩きにくくなって来ました。ひたすらに下山します。
白山もさようなら。
下りになって、よくこんなところ直登で登って来たなと気付きます。まぁ下りはどんな急斜面でもズボズボとあっという間です。
13:30別山登山口通過。別山登山口を越えて、あと少しで市ノ瀬です。雪が緩いために行きよりも歩きにくいです。
市ノ瀬と別山登山口の間には雪崩れ注意道が長くあります。もう雪崩れきっているような雪状況ではありますが、なるべく早く通過します。
市ノ瀬。
白山がもうあんな遠くになりました。
疲れている上に地面は緩く歩きにくい。この山行最後の苦行を楽しみましょう。
16:40駐車地到着。疲れたー、やっと駐車地に返ってきました。荷物を降ろして靴を脱ぐ幸せ。
全行程14時間40分。距離36kmのうち、車道22km、登山道14km。特に車道が苦行でしたが、別山山頂から見る白山連峰の山々はとても美しく、その景色を独り占めできたのは感無量です。
少しでもラッセルがあればおそらくたどり着けなかった山頂。この時期で全然雪がないのは寂しいですが、だからこそ辿り着けたので悩ましい気持ちです。
春が来れば咲き誇る花々を見にまた訪れようと思います。
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
ノースフェイスのカメラバッグ
α7IIのバッテリーは貧弱でも、何とか撮影は続けられます。今回は暖かったのでバッテリー問題なしでした。
この画角が便利すぎる。SEL24105F4
登山装備
値段は高いが、それに見合う素晴らしいソフトシェル。防水ではないですが、防風性能は高く、よっぽどの爆風でない限り雪山でも活躍しています。4年使っても新品同様の丈夫さ。
さすがファイントラックの優秀なソフトシェル。防水ではないですが、雪はつかないし、防風性能は高いので、雪山でよく使っています。
アクティブスキン上下は雪山必須装備です。汗冷えを感じません。