冬が終わり、残雪期の暖かい頃合いに、三股〜蝶ヶ岳泊〜常念岳〜三股を縦走してきました。蝶ヶ岳へは比較的簡単に登れ、そこからは最高の景色。これは大勢が登るわけだ。テントを持って行ったものの、急遽、人生初のツェルト泊に挑戦してみました。
場所:長野県
日程:2019年5月24日(金)〜25日(土)1泊2日テント泊。
獲得標高:2202m
歩行距離:18.3km
出会った自然の造形美
蝶ヶ岳から見る北アルプス。ここから見る北アルプスはとても美しい。
満点の星空の中、真っ赤な月が昇ってくる。月の出は朝日同様に幻想的だ。
朝日に照らされる長野の田園風景。濃いグラデーションは何度見ても美しい。
蝶ヶ岳から見る朝日。仲の良さげな4人組が絵になる。
雷鳥の羽?姿は見えなかったが存在の片鱗だけでも楽しい。
登山計画
金曜日の平日からスタートなので、混んでないと思い08:00に三股駐車場到着。さすがに平日なので車は1/3ぐらい。土曜日の14:00には満車でした。
ルートとコースタイム
このコースの場合、宿泊場所は蝶ヶ岳ヒュッテか、常念小屋のどちらかしかありません。膝の調子に不安があったので、1日目が楽な蝶ヶ岳ヒュッテ泊にしました。膝が痛い場合、常念岳まで行かず下山するつもりでしたが調子が良かったので、縦走です!
1日目:三股→蝶ヶ岳、テント泊
08:20三股駐車場→12:30蝶ヶ岳ヒュッテ(14:15ツェルト張り完了。約1時間→14:45妖精の池散歩→蝶ヶ岳付近散策→17:30晩ご飯→18:40夕日→19:30就寝→22:30起床、天体観測→0:30就寝)
登山時間:4時間10分(CT4時間45分)約0.9
2日目:蝶ヶ岳→常念岳→三股
(03:50起床、朝日→05:00朝ごはん→片付け1時間→)06:15蝶ヶ岳→10:00常念岳→13:40三股駐車場
登山時間:7時間25分(CT9時間50分)0.75
装備
小屋で水は売っていましたが、無補給のつもりで行きました。
- 服装上(インナー、半袖)
- 服装下(機能タイツ、半ズボン)
- 足元(3シーズン靴)
- 手袋(インナー)
- 小物(ヘッドライト、救急セット、タオル、バラクラバ、ランタン)
- 冬装備(12本爪アイゼン)
- スポドリ3.0L(アクエリアスの粉で1L追加補給し、1日目1.5L、2日目2.5L)
- 水2L(プラティパス)
- レインウェア上下
- 防寒着(ダウン上下、冬タイツ、ヒートテック)
- テント泊装備(ツェルト、テント、マット、夏山寝袋、ゾウ足)
- 撮影機材(α7II、SEL24105F4、SEL1635F4、三脚)
- ストック
- 1日目:朝(コンビニ)昼(コンビニ)夜(パスタ、米)行動食(バー2、ゼリー1)
- 2日目:朝(カップ麺)行動食(バー2、羊羹1、ゼリー2)
合計22.3kg
1日目~三股→蝶ヶ岳~
三股→蝶ヶ岳ヒュッテ
08:20三股駐車場。水洗トイレで用を済ませ、元気に出発します。
少し歩けば三股。ここまでは車がギリギリ通れる砂利道で歩きやすいです。
ここから登山道。ニリンソウだけでなく、様々なお花が出迎えてくれ、傾斜も緩くのんびりハイキングにピッタリな道です。
登山道の両側にニリンソウがビッシリです。
駐車場から40分ほどで、よくみる恐竜さんがいました。
雪が出てきました。やはり吹き溜まりの雪はそう簡単には溶けませんね。
一箇所だけトラバースがありましたが、傾斜が緩く危険ではないと思います。
蝶ヶ岳ヒュッテの手前に、ラストの急登です。ヒーヒー言いながら登ります。
12:30蝶ヶ岳ヒュッテ到着。第一印象はとにかく景色が良い。北アルプスを眺める場所としては最適では⁉︎
蝶ヶ岳周辺散策
今日は蝶ヶ岳でテント泊なので、まだまだたっぷりと時間があります。まずはテントを張ります。ん?時間があるし前々からしてみたかったツェルト泊してみよう!ということで、切り替えることにしました。(テント一式もわざわざ持ってきました)
14:00ツェルト設営完了!1時間ほどかかりましたが、いい感じで張れた気がします。ストック部分の紐の通し方は正解写真を見ながら試しました。
中は広くて2人寝れる気がします。高さは低く座ると頭擦ります。十分快適!ストックだけでは防風性能は低めで、風になびく音がちょいうるさい。もう2本ぐらい張紐追加しようか悩む。
14:20家ができたので後はのーんびりタイムです。散歩します。テント場から歩いて2分ぐらいで蝶ヶ岳山頂です。
ここからの景色は贅沢すぎます。
歩いて10ぐらいの妖精の池に行ってみました。流れはなく、水の中から雪解けで泡がぽこ、ぽこと出るだけでとても静かです。
妖精さんは現れませんでした。
戻ってきて、まだのんびりと散歩します。蝶ヶ岳付近にある山座同定盤がカッコよくて、3Dなんです!非常にわかりやすいし見るのが楽しい!
のんびりと自撮りします。地味に風が強くて寒かったのは内緒です。
17:50晩ご飯にします。3時間半も散歩していましたが、時間が経つのはあっと言う間です。
初のツェルト。風速5mぐらいはあるので、張り方がまずいと倒れる可能性もあると思っていましたが、問題なさそうです。ただ、風で形状が潰れています。もう2本張れたら潰れを少なくできそうなので次回試したいです。
明日歩く常念岳方向。もう陽も傾き、照らされる山々は美しい。
蝶ヶ岳ヒュッテ。金曜日ですが、20人ぐらいは泊まっていたでしょうか。みんな夕日を見に出てきました。
18:50南岳付近に太陽が沈んで行きます。山座同定盤の近くで30分近くのんびりと眺めました。ちなみに風速8mほどあり寒かったですが長時間入れました。その格好はヒートテック上下+ダウン上下+レインウェア上下です。
穂高岳に夜が訪れます。19:30に就寝します。
天体観測
22:30起床。月の出が23:40なので、その前に満点の星空を楽しみます。穂高岳方向に多くの流れ星が見えました。夜も夕日と同じ格好でいけました。
常念岳方向。街明かりが明るいためうっすらですが、天の川がかかっています。
蝶ヶ岳方向。この方向の天の川が1番綺麗です。不思議な赤いものが地平線の先に見えてきたと思ったら、月の出でした。月の出を初めて見ましたが幻想的です。
我が家と天の川。ツェルトは露出オーバーですが、この非現実な感じがまた面白い。0:00就寝、おやすみなさい。就寝時はゾウ足がまだ欠かせませんでした。
2日目〜蝶ヶ岳→常念岳→三股〜
朝日
03:40起床。日の出は04:30ですが、もう真っ赤かで見応えのある景色が広がっています!ゆっくり寝ていられません。
テント達も嬉しそうに朝焼けを見ています。
あれ?富士山見えた。昼間は気づきませんでしたが、やはり存在感があります。
涸沢には大勢の人がいて、モルゲンロードを楽しみに見ていることでしょう。
おはようございます。中良さげな4人組がいい感じです。
05:00美しいゴールデンタイムは終わり、朝ごはんにします。
蝶ヶ岳→常念岳
06:10いざ常念岳に出発します。テントの片付けに50分ほどかかりましたが、この時間を短縮する工夫を学びたいところです。
贅沢な縦走路です。北アルプスが異常なほど美しく見守ってくれています。
中々アップダウンが厳しいです。
稜線沿いに雪はないかと思っていましたがありました。アイゼンを装着します。雪は緩くなく、いい感じに刃が刺さります。
右を見ると長野の街並み。田んぼが多くて田舎だ。良いねー。
常念岳を捉えた!ラスト登ります。
09:50常念岳到着。蝶ヶ岳より200mほど標高が高く、ここから見る景色も美しい。
北方向には大天井岳。
西方向には槍ヶ岳。
南方向には進んできた蝶ヶ岳。抜群の景色だ。
常念岳→三股
10:10さくっと下山します。常念岳から少し行くと、常念沢の雪渓がすごい迫力で見えます。吸い込まれそうな造形美。
雷鳥の羽でしょうか?姿を見ることはできませんでしたが、片鱗を見るだけでも嬉しいです。
平和な道を下るかと思っていたら、たまに両手を使うような岩場です。
11:00常念避難小屋。石室に屋根をつけたような作りで面白い。
ここからの下りがエキサイティングなので、ストックをリュックに仕舞い、全力で楽しみながら下ります。
だんだんと森の中に入って行きます。
森の中にも雪は残っています。
平和な登山道が思いのほか長く、黙々と下山します。これまでのテント泊の山行を思い出してニヤニヤしながら下っていました。笑
13:40三股駐車場到着。お疲れ様でした。ここには沢の水を引いた蛇口があるので、汚れた登山装備を一通り綺麗に洗えました。助かります。
温泉:さわんど温泉梓湖畔の湯
料金720円。洗い場には備え付きのボディーソープ、シャンプー、内湯と露天風呂。登山で疲れた体には十分すぎる温泉でした。
夜ごはん:楽今日館
風穴の里の山賊定食を狙っていましたが、行ってみると品切れ!ガーン。諦めて別のところに入ろうと帰り道の良さげなところを探しますがどこもピンとこない。温泉付きの食事処に入ってみました。普通だった。
感想
蝶ヶ岳から見る北アルプスはとにかく美しい。上高地を挟んでそびえており、北アルプスの山々を見るための山という印象。何にせよ山に泊まる2日間は幸せに決まっています。
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
カメラバッグはとても便利。
α7IIは登山にはかかせません。kuromenboo.hatenablog.com
この画角が便利すぎる。SEL24105F4
星空はこの子で撮影しました。F4でも天の川は何とか撮れます。
登山装備
大重量を背負う時は心強い仲間、トレイルプロショックのストック。
最近足が痛くて、長い山行は不安だったので導入してみました。このおかげかわかりませんが、膝の痛みはありませんでした。
ツェルト2 は確かに2人寝れそうでした。ツェルト泊初挑戦でしたが、雨が降らなければ十分行けそうです。