LIFE LOG(自然と遊ぶ)

自然と遊ぶ

登山の楽しさ、美しさを伝えたい。登山、写真。

初冬の燕岳〜テント泊で雪山登山〜(2018年11月)

2018年の燕山荘営業最終日に、中房温泉から燕岳へ1泊2日のテント泊を楽しんできました。今年は暖冬なのか雪は少なく、山頂でも-6℃と過ごしやすかったです。

場所:北アルプス

日程:2018年11月25(日)〜26日(月)1泊2日テント泊。

獲得標高:1557m

歩行距離:12.6km(1日目8km、2日目4.6km)

登山時間:9時間20分(1日目5時間40分、2日目3時間40分)

駐車場:安曇野市営駐車場

出会った自然の造形美

北アルプスの女王燕岳。白い山肌に白い雪が積もり美白美人です。ただ女王の美しさの本領発揮はコマクサの咲く季節かもしれませんね。f:id:kuromenboo:20181128122306j:image

 適度な夕焼けが続き、太陽がもうこのまま沈むかと思ったら見せてくれた爆焼け。世界が急に赤く染まります。f:id:kuromenboo:20181128121557j:image

 燕山荘からの夜景。松本市方向でしょうか?ベンチに座って夜景を眺める絶景スポットです。f:id:kuromenboo:20181128122157j:image

 夜は雪が降り続け、ご来光への期待が薄まる中目を覚ますと顔を出した太陽。後ろを見るとガスの中に映る自分の姿。珍しいのではないでしょうか、朝焼けブロッケン現象f:id:kuromenboo:20181129121410j:image
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 燕岳から槍ヶ岳に続く長い稜線。これが表銀座。みんなが縦走したくなる気持ちがめっちゃわかります。f:id:kuromenboo:20181128121550j:image詳しい登山記録は続きをどうぞ!

登山計画

イカーで中房温泉近く、安雲野市営第一登山駐車場に駐車しました。3連休の最終日に行きましたが、燕山荘のサイトでは中日に駐車場満車ですという情報もあり、前日入りして車中泊しました。

北アルプス表銀座 燕岳(つばくろだけ)の山小屋 燕山荘グループ - アクセス

ルート

1日目:中房温泉→燕山荘↔︎燕岳、燕山荘でテント泊

2日目:燕山荘↔︎燕岳→中房温泉f:id:kuromenboo:20191121220002j:plain

装備(記録用メモ)

  • 服装上(インナー、半袖)
  • 服装下(インナー、長ズボン)
  • 足下(冬靴)
  • ストック
  • カメラ(α7II、SEL1635F4、SEL55F18)
  • 三脚
  • 防寒着(ダウン上下、極厚ダウン上)
  • 雪山装備(ハードシェル上下、12本爪アイゼン)
  • テント泊装備(テント、ツェルト、夏山寝袋+エスケープヴィヴィ、ゾウ足)テント使わずツェルト泊してみた
  • スポドリ0.8L(アクエリアスの粉で追加補給し、2日で1.2L使用)
  • 水2L、山専ボトルでお湯0.9L(水1Lは余り)
  • 食料(1日目:朝、コンビニ、昼、カップ麺、夜、カレーメシ、行動食、バー2、ゼリー2)(2日目:朝、カレーメシ、行動食バー2、羊羹1、ゼリー2)

合計22.1kg

夏に比べてドリンクが少ない分思ったよりは軽い印象です。

予算

  • 朝ごはんコンビニ500円
  • 安房峠道路1310円(540円ETC割、770円)
  • テント場800円
  • 中房温泉700円
  • 昼ごはん、道の駅風穴の里850円

合計4160円(ガソリン代除く)

1日目~中房温泉から燕山荘、燕岳往復~

コースタイム

08:50安曇野市営駐車場→11:40合戦小屋、昼食30m→13:15燕山荘、テント設営1h→15:00北燕岳→15:30燕岳→16:00燕山荘、テント泊

17:00夕焼け

19:00就寝

登山時間:5時間40分(CT4時間50分)約1.3

中房温泉→燕山荘

前日入りして、車中泊、ゆっくり起き出してスタートです。

08:00安曇野市営駐車場。この時点で、第一駐車場にはまだ1,2台は停めれそうでした。f:id:kuromenboo:20181129122839j:image

08:50中房温泉から入山です。登山者用トイレがあるので、そこで用を済ませます。帰りの温泉が楽しみです。f:id:kuromenboo:20181129122845j:image

今年は暖冬のようで、ほとんど雪もないかと思っていましたが、日陰部分には雪も残り踏み跡は凍結気味です。f:id:kuromenboo:20181130100442j:image

陽のあたる場所の雪は溶けています。f:id:kuromenboo:20181130100553j:image

もう秋も終わり、木々も冬仕度しています。f:id:kuromenboo:20181130100636j:image

霜柱さんお久しぶりです。毛細管現象で現れるこいつら、自然って面白いですね。f:id:kuromenboo:20181130100455j:image

踏み跡の凍結で滑りそうなのでアイゼン装着しました。12本爪を付けましたが、軽アイゼンやチェーンスパイクがあれば十分でした。f:id:kuromenboo:20181130100615j:image

白と茶色の道をサクサクと進みます。合戦小屋までは樹林帯の中を進むのであまり眺望はありません。f:id:kuromenboo:20181130100828j:image

11:40眺望が開けてくると合戦小屋に到着です。小屋の最終日になるので、荷降ろし用のリフト?が稼働して店じまいの準備をしていました。f:id:kuromenboo:20181130100524j:imagef:id:kuromenboo:20181130100851j:image

ここでお昼ご飯。山専ボトルには前日の23:00にお湯を入れましたが、まだまだ暖かくすぐに沸きました。冬の必須アイテムですね。f:id:kuromenboo:20181130100432j:image

眺望の良い景色を登って行くと、燕山荘が見えてきました。あと少しです。槍ヶ岳は雲で隠れていますが、存在感を感じます。f:id:kuromenboo:20181130100514j:image
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13:15燕山荘に到着です。受付は階段を下りたところにある入り口です。テント場代の800円を払います。f:id:kuromenboo:20181130100417j:image

テントが増えてきた場合のことを考えて、人の通り道とか、風向きとかでオレンジの位置に設置しましたが、明日が平日なのでテントの数はほとんど増えませんでした。f:id:kuromenboo:20181130100815j:image

燕山荘↔︎燕岳

14:15燕山荘から燕岳を目指します。北アルプスの女王様とはどのようなお方でしょうか?楽しみです。f:id:kuromenboo:20181130100649j:image

よく写真で見かけたイルカさん。燕岳に行く途中にいました。あやうく見逃してしまいそうでした。f:id:kuromenboo:20181130100422j:image

3連休の金土は雪が積もり、白い燕岳が見れたようですが、日曜にはその雪が溶け、夏山と変わらない姿を見せてくれました。
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メガネ岩。まぁ穴が2空いた岩ですね。他にも色々な形の岩はたくさんあり、自分の好きな形を探して見ても面白いかもしれません。f:id:kuromenboo:20181130100539j:image

振り返り、燕山荘の方向を見ます。美しい稜線です。
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燕岳の先を見るとこれもまた進みたくなる稜線がありました。燕岳を横目に、あえて北燕岳を目指します。
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15:00北燕岳山頂からの景色。この先にも進みたくなる稜線が続きますが、引き返すことにします。
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雪山の造形、シュカブラ。吹き溜まりには雪がたまり自然の造形美を見せてくれました。f:id:kuromenboo:20181130100809j:image

15:30燕岳山頂。ここから、姿を現した槍ヶ岳へ続くこの稜線沿いこそ表銀座です。4〜6日間かかる北アルプスで大人気の縦走ルートです。ぼちぼち燕山荘に戻ります。
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イルカさんの目に雪がついてます。
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16:00燕山荘到着。こいつの存在を忘れてました。燕山荘の主、山男です。畦地梅太郎(あぜちうめたろう)の作品みたいです。
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燕山荘でのんびりくつろぐ

近くを徘徊してみると、ゴリラが寝てました。f:id:kuromenboo:20181130100823j:image

外は-6度。中は12度。天国と地獄ですね。山小屋には多くの人が泊まっており、講習会のようなものも開かれていました。
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17:00夕焼けの時間が来ました。槍ヶ岳の存在感は大きく、見ていて飽きることはありません。望遠レンズが欲しくなります。
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富士山には夕焼けがあたり、綺麗な姿を見せてくれました。
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もうこのままうっすらと沈むかと思ったら、まさかの爆焼け。槍ヶ岳の姿は隠れましたが世界が真っ赤に染まり美しいです。
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太陽が沈めば夜です。f:id:kuromenboo:20181130100627j:image

暖かそうな山小屋を横目にマイホームに帰ります。
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テント内はこんな感じで散らかってます。綺麗にパッキングしている人はテント内も綺麗なのでしょうか?地面からの冷えは強力で、マットの上に座ってないと寒いです。のんびり晩ご飯を食べます。
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寝る前に、山小屋のトイレを借りに出ました。
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テントプロジェクタのような光景に、一人子供のようにはしゃいでいます。まぁ山に登れば誰でも子供に戻りますね。
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ベンチから見えるのは松本市の夜景でしょうか?独り占めでのんびりしたいところですが、ちょっと寒いです。-6度です。
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19:00就寝

2日目~燕岳往復、中房温泉へ~

コースタイム

06:00起床、ご来光タイム。07:20燕山荘→08:00燕岳→08:30燕山荘、1時間30分片付け朝ごはん。10:00燕山荘→12:20安曇野市営駐車場。

登山時間:3時間40分(CT3時間40分)約1.0

ご来光タイム

02:00〜06:00月光の燕岳を狙い夜中に起きようと思っていましたが、あいにくの雪。天気が良くならないかなーと、02:00から1時間毎に起きて確認してましたが、ずっと雪でした。

今回は、夏用寝袋(モンンベルダウンハガー800#3)とエスケープヴィヴィの組み合わせを試してみました。夜中は-6度より低かったと思われますが快適に寝れました。ただ、エスケープヴィヴィ内で結露して、寝袋は少し濡れていたので、ぎりぎりだった印象です。(決して真似はせず、雪山には雪山用の寝袋で行ってくださいね)f:id:kuromenboo:20181201114120j:image

06:00起床。夜中の雪が嘘かのように太陽が顔を出しているではありませんか。f:id:kuromenboo:20181201114101j:image

夜中の寒さのおかげで霧氷も育ち、雪と太陽のコラボを見ることができました。
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太陽の温もりが染みてきます。
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ふと太陽の反対側を見ると、ガスの中でのご来光だからこそ見れた奇跡。とても珍しいのではないでしょうか?朝焼けブロッケン現象
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赤かった太陽も黄色くなり、霧氷たちは黄金色に照らされています。
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燕山荘↔︎燕岳

07:15ガスが嘘だったように空はカラッと晴れわたり、雪化粧の燕岳がはっきりと見えます。再度燕岳を目指します。夜中の雪に感謝ですね。
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イルカさんも白くなっています。f:id:kuromenboo:20181201114236j:image

太陽が眩しく、霧氷を照らしています。
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雪化粧の燕岳。美しいです。
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08:00燕岳山頂から見る表銀座。雪化粧の稜線はなお美しく、縦走してくれと言わんばかりです。
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それではさようなら。
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08:30この時間になるとテントも少なく、山小屋に泊まった人たちもほとんど下山していました。
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のんびり片付け、朝ごはん

朝ごはんはカレーメシ。初めて食べましたが思ったより美味しく、ジップロックに入れて持ち運べば体積も少なく済みそうです。f:id:kuromenboo:20181201114125j:image

太陽のおかげでテント道具も乾かせますので、入り口を太陽に向けました。もう人もいない時期だからこそ、自由に過ごせる朝の時間、好きですよ。
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夜景が見えたベンチからは、今は雲海が綺麗に見えます。
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燕山荘→中房温泉

10:00燕山荘。名残惜しいですが帰ります。またね。
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空には燕⁉︎青い広い空を飛んでいます。
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アイゼンを引っ掛けてつまずかないようにだけ気をつけながらさくさく下山です。f:id:kuromenboo:20181201114044j:image

第1ベンチでアイゼンを解除し、水場で汚れを落としました。
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12:20あっという間に下山です。
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 帰路

安曇野駐車場から、車で中房温泉に移動し、中房温泉を楽しみます。露天風呂だけなので、体を洗っている間寒いです。温泉はヌルヌルで、暖かいのと熱いのの2つ。熱いヌルヌルで登山の疲れを癒しました。下山直後に入りたい人用に、大きい荷物置き場もあるのでマイカー以外の人も安心して立ち寄れます。f:id:kuromenboo:20181201114033j:image

 

道の駅風穴の里で山賊定食。狙っていたソースカツ丼屋さんの昼営業に間に合わずここまで来ました。ボリューミーで登山後に最適な美味さでした。
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感想

北アルプスの中で最も登りやすいと言われる燕岳。確かに初心者でも登れる良い山だと思いました。適度な登山時間で、燕山荘もあり下山後には温泉もあり、山の醍醐味が揃っていますね。女王様の本領発揮と思われる、コマクサの咲き乱れる季節にまた訪れたいです。

 

冬季情報

冬季は中房温泉への道路が通行止めになるので、宮城ゲートから道路を歩くしかアクセスできないようです。2018年は11月30日から通行止めになっています。

道路情報/安曇野建設事務所

しかし、年末年始のみ燕山荘が営業して中房温泉から登れるチャンスもあるようで、とても楽しそうです。

燕山荘|北アルプス表銀座 燕岳(つばくろだけ)の山小屋 燕山荘グループ - 年末年始営業のご案内

今回の山行で活躍した道具

カメラ装備

カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。

ノースフェイスのカメラバッグ

α7IIのバッテリーは貧弱でも、何とか撮影は続けられます。

kuromenboo.hatenablog.com 

広角レンズは見える景色が全て写せる、SEL1635F4。

人を撮るのにちょうど良い画角、SEL55F18。

登山装備

値段は高いが、それに見合う素晴らしいソフトシェル。防水ではないですが、防風性能は高く、よっぽどの爆風でない限り雪山でも活躍しています。4年使っても新品同様の丈夫さ。

アクティブスキン上下は雪山必須装備です。汗冷えを感じません。

シュラフカバー代わりに使用したSOLエスケープヴィヴィ。結露して快適ではないですが、許容。高いシュラフカバーを使ったことないですが、高いものだと結露しないのかな?夏山では、シュラフの代わりに使えます。

熱湯をキープしてくれるのはマジ便利。