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【岐阜県】海ノ溝谷で沢登り!上級者向け|大ゴルジュを楽しむルートと装備を写真で紹介

観光地でもある川浦渓谷(かおれけいこく)の奥地にある海ノ溝谷(ウノミゾダニ)は、まさに「沢登りの完成形」と呼べるようなルート。入口からいきなり始まる大ゴルジュの廊下、気を抜けば流される泳ぎ、登れそうにない滝にある絶妙なルートの登攀、沢登りの魅力全て詰まったとても面白い沢でした。

技術・体力ともに高いレベルが求められるため、初心者向けではありません。下山は林道を使えるため、下山自体は比較的楽です。

  • レベル:沢4級(個人的なランク付け)
  • オススメ度:★★★★★
  • 場所:岐阜県奥美濃
  • 日程:2020年8月14日(金)お盆休み
  • 人数:3人
  • 所要時間:7時間50分(休憩含む)

圧倒的な自然の造形美

海ノ溝谷に入った直後から大ゴルジュの絶景。ここに来れただけで幸せを感じる。f:id:kuromenboo:20200816084823j:plain

圧倒的な壁から流れ落ちる滝。男前な美しさ。美味しく直登しました。f:id:kuromenboo:20200816084951j:plain

ラスボス。CS8m滝。オーバーハングの壁に囲まれた先にある滝はCSのために全貌は見えない。暗がりに鎮座する姿はまさしくラスボス。f:id:kuromenboo:20200816085143j:plain

光に照らされればエメラルドグリーン。水中ゴーグルで潜るとどんな景色が見れるのか?潜った者のみが味わえる。絶景。f:id:kuromenboo:20200816085139j:plain

計画

行動ルート・所要時間

06:50駐車場→07:10入渓→07:30海の溝谷出合い→ゴルジュ遡行→13:50林道→14:30駐車場

登山時間:7時間40分f:id:kuromenboo:20200817220847j:plain

駐車場

川浦渓谷観光駐車場を利用。

当日の装備・服装

私はフェルトでしたが、ラバーソール推奨。フェルトソールでは踏ん張りが効かず、登れない場所がいくつかありました。セミドライなら余裕でしたが、ウェットスーツでも寒い泳ぎが続くので、厚めの暖かい装備推奨。

  • 服装上:インナー、セミドライスーツ
  • 服装下:インナー、セミドライスーツ、半ズボン
  • ライフジャケット(必須です)
  • 足元:沢タビ
  • 防水カメラ
  • ヘルメット
  • 昼ごはん
  • 行動食
  • ドリンク:1.5L(1.0L使用)
  • 緊急用:ツェルト、タオル、緊急セット(使用せず)

沢道具

  • ハーネス
  • ザイル:30m、直径8mm
  • カラビナ
  • エイト環
  • マイクロトラクションプーリー(使用せず)
  • スリング:2mを2個

共同装備

  • 30mとらロープ
  • カム各種(ラスボス突破の際に、単独の強者に貸した)

不足していた装備(ラスボス直登のためにハンマー投げが必要)

  • ハンマー
  • ハーケン

沢登り記録

06:50川浦渓谷駐車場出発。看板で記念にパシャリ。左側が筆者。

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上から見る景色は圧巻です。ここは本流で今回のルートとは違いますが、圧迫感のある大ゴルジュでテンションが上がります。f:id:kuromenboo:20200816085236j:image

トンネルを越えた先の左側の道に踏み跡があったので、そこから入って行き、最後は15m懸垂で沢に降りました。立木は多くあり、懸垂地点に困ることはありません。

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この岩がとにかくヌメヌメで着地点でこけないよう注意。f:id:kuromenboo:20200816085058j:plain

07:10入渓。歩ける道はなく、泳ぐしか道はないので、元気に行きましょう。

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07:30出合い。左に行けば本流、正面が海ノ溝谷。明らかに周りを崖に囲まれたゴルジュの入り口です。f:id:kuromenboo:20200816085041j:image

1つ目2つ目と、左岸の水流近くの岩を登って行けるので、ここまでは難なく突破できます。

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その先に海ノ溝谷の門番滝がいます。この滝を越えられなければ、ここに来る資格なしで引き返しポイントです。(そのまま泳いで突破して写真撮ってない笑)
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確かに流れが強いですが、水の中に手と足があるので、何とか行けます。後続は苦戦していたので、スリングで引き上げました。
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滝を越えた先はまさしく秘境。これが海ノ溝谷か。この景色がずっと続くとか最高かよ!
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特に難所はなく、小滝を越え、流れに対抗して泳ぎ、圧倒的な自然のゴルジュをただただ堪能する。この辺りでは、思ったより簡単であっという間に終わるのでは?と舐めたことを考えていました。

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真夏であっても水は冷たく、ウェットスーツがなければ凍えてしまうレベル。セミドライスーツの私は、嬉しそうに水に入り、気持ちよく楽しんでいます。(逆に地上に上がると暑すぎて死にそうになります)

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何て綺麗な景色なのだろう。水中ゴーグルを付けて透き通った水を堪能します。
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小さめな滝は多数ありますが、滝の横を通って行けるので難所はありません。
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来ましたボスキャラ。3mオーバーハング。直登できるらしいけどどこから登るんだ?ルートを探すのも楽しいですね。(水量が多いと困難で、大巻きはできるよう)
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色々なルートを探ります。結局、水流のすぐ右側にとりつき、小テラスに登り、オーバーハングのガバを掴みながら突破しました。
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小テラスに残置ハーケンがあったので、後続用にスリングを垂らしました。小テラスに登るまでが難しい。小テラスから先は、基本ガバで、水流に足があるので、見た目よりは簡単。必要なのは勇気だけ。

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滝を越えた先にあるゴルジュと小さな滝。簡単そうに見えて溺れかけました。
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泳いで接近できてしまったのが間違いだった。流れが渦を巻いていて、近づきすぎると、CS側に引き込まれて抜け出せなくなる。マジで危なかった。滝に接近する時はロープで固定が必須ですね、反省。
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結局泳ぎは諦め、左岸側の岩スラブを突破。後ろから単独の方が来られました。
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ここからラスボス。CS滝8m。CSで全貌が見えませんが、あの先にはすごい勢いで流れる滝がいるのです。単独の方が人工登攀で挑み、見事に突破していました。流れが強く、泳ぎでは接近できないので、右岸側のくぼみにハーケンであぶみをかけ、ハンマー投げで木に引っ掛け、人工登攀で登るしかないよう。我々の装備では厳しそうなので、巻道を探します。
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少し戻ったところの右岸から巻けましたが、滑りやすく、ちょっと悪かったです。強者が人工で越えてます。すごいなー。
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ただし、CSを越えた先も難しいよう。落ちたらちょっとヤバそうです。
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巻道の最後、難しくはないですがヌメヌメで、落ちたらヤバいので緊張した。
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ラスボスを越えればもう終わったようなものです。光が当たって綺麗。何て美しいエメラルドグリーン。水はめちゃくちゃ澄んでいます。

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ゴルジュが終わってから意外に長かった。平和な沢歩き。
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ゴルジュを通ってきた我々にはこの景色に感動は薄く、感覚が麻痺しているのを感じます。笑
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13:50ちょっと行きすぎましたが、ほんの30mほど登れば林道。こんな近くに道があったのか!後はワープするだけ。

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14:30駐車場到着。観光客の車で賑わっていました。

海ノ溝谷、ずっと絶景の大ゴルジュの廊下。大満足の沢登りでした。

活躍した沢登り道具

沢登り装備は、色々試してきて自分に合った装備がわかってきました。 

防水リュック

今回は通常の登山ザックを代用していますが、後日この防水リュックを購入して使っています。完全防水で水は入ってきませんし、重量が軽いので、沢登り以外にも使い勝手がよく、日帰り登山でよく使ってます。

沢靴

今回の沢靴はサワーシューズでしたが、登攀能力の点でラバーソールのサワタビの方がオススメです。ただ、フェルトに比べてソールが薄いので長時間歩くと足裏が痛くなります。 

 

ハーネス

今回のハーネスはモンベルの、サワークライムシットハーネスを使用していましたが、ロッククライミング用がオススメです。強度も高く、カラビナをかける場所も最適化されてるし、重さは気になりません。

確保用

ロープで確保しながら登るとき用のマイクロトラクション。滑りが抜群に良く、小さいので買って良かった一つです。ロープに固定し、登る側には動くが、落ちる側では止まり、安全を確保できます。

防水カメラ

沢で使っている防水カメラはこれです。大きな不満はなく、マクロ撮影もできて便利です。

インナー

アクティブスキン上下。通常の登山であれば保温性を感じますが、泳ぎメインの沢で完全に濡れて乾く暇もなければ保温性はほとんどなく、お守りみたいな感じですが、着てます。ウェットスーツ必須です。

おすすめのカメラ装備

カメラバッグ

カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。

ノースフェイスのカメラバッグ

カメラ

α7Ⅲは寒冷地で十分使用できるので安心です。

レンズ

楽しい単焦点SEL55F18。

登山の時はいつもはSEL24105F4が多いです。

沢登りスポットまとめ

これまで実際に行った沢登りのおすすめ度などのまとめです。

関西編。

中部編。

初心者向け登山スポットまとめ

初心者向けの登山スポットまとめです。

特に心に残った登山レポート

これまでの登山で見た絶景たちです。