上高地から、涸沢と奥穂高岳、ジャンダルムを穂高岳山荘テント泊1泊2日で楽しんできました。虫の息の紅葉涸沢カール、初めてみた白い虹、北アルプスの稜線の美しさ、世界に光を注ぐ天使さん、最高の2日間をありがとう。
場所:北アルプス(長野県)
日程:2018年10月7日(日)〜8日(月)1泊2日テント泊。
獲得標高:2363m。
登山距離:26.8km。
登山時間:1日目 7時間45分、2日目 8時間。
出会った自然の造形美
紅葉が虫の息の涸沢カール。何と巨大な造形。
ガスの中から現れた前穂高岳。青く光り神々しい姿。
初めて見た白い虹。白い虹って知ってる?僕は知らなかった。
雲の上にそびえる槍ヶ岳。赤い服の男性がブロッケン現象に手をふる姿がよかった。
日が沈み夜を待つテント達。大繁盛でヘリポートまで埋まっていた。
空には無数の星。人間なんてごみみたいなもんだ。
まさしく岩の世界。岩登りには自信がある僕でもアドレナリン全開。
ジャンダルム山頂の天使さん。世界に光を注ぐ。
詳しい登山記録は続きをどうぞ!
登山計画
ルート
駐車場:マイカーを平湯温泉(あかんだな駐車場)に駐車し、バスで上高地へ。
1日目:06:00上高地→横尾→涸沢→14:30穂高山荘、テント泊
2日目:06:00穂高山荘→奥穂高岳→ジャンダルム往復→前穂高岳→岳沢小屋→15:00上高地
逆ルートも考えましたが、15:00にはテント場に着こうと思うと余裕がほとんどなかったので、涸沢を初日にもってきました。
装備(記録用メモ)
- 行動着上(インナー、半袖or長袖)
- 行動着下(インナー、半ズボン)
- 足元(3シーズン靴)
- 通常装備+撮影用防寒着(ダウン上下、ハードシェル上下)+ヘルメット+ゾウ足
- カメラ(α7II、SEL1635F4、三脚)
- スポドリ1日3L(2日目は小屋で補給)1日2L使用
- 水1L(小屋で補給すれば0Lでよかった)
- 1日目:朝(おにぎり、サンドイッチ)昼(イカ飯、じゃがバター)夜(カップ麺、米、ソーセージ、裂けるチーズ、チキン)行動食(バー2、羊羹1、ゼリー1)
- 2日目:朝(パスタ、ソーセージ)昼(山小屋飯カレー)行動食(バー2、羊羹1、ゼリー3)
合計21.5kg
予算
- 石川⇄駐車場までの高速代3380円(1690円x2)
- あかんだな駐車場1200円(600円/日)
- 駐車場⇄上高地往復バス2050円
- テント場1000円
- 昼ごはん1000円
- トイレ100円
- 平湯温泉700円(500円+歯ブラシ100円+ロッカー100円)
- 晩ご飯あんき屋1300円
合計10730円(ガソリン代除く)
1日目~上高地から涸沢を越えて穂高岳山荘へ~
コースタイム
04:30あかんだな駐車場到着
05:10バス乗車(始発05:20ですが05:00から運転開始していました)
05:40上高地到着
06:00上高地→08:40横尾山荘→11:30涸沢小屋、昼食30m→12:15涸沢小屋→14:30穂高岳山荘、テント泊
登山時間:7時間45分(標準タイム8時間40分)約0.9
20kgの荷物の場合標準タイムと予想していましたが、ほぼ狙い通りでした。
16:00~19:00涸沢岳で日の入り
20:00就寝
23:00~01:30天体観測
01:30就寝
上高地→涸沢カール
05:10あかんだな駐車場。バスは始発から長蛇の列です。始発は05:20のはずでしたが、05:00には1台目が出発しており、05:10の2台目で上高地へ出発です。
上高地バスターミナル。朝早くから大勢いるもんですなー。
少し歩けば見れる絶景。上高地はずるい。それにしても人が多い。そんな重たそうな荷物もってみんなどこへ向かうのでしょうか。抜きつ抜かれつどんどん進みます。
08:40横尾に到着。すでにたくさんのテントがありました。こんな場所でまったりテント泊もいいもんですね。ここまでは平らな道で楽ちんです。
ここを渡ると、屏風のコルを経由して涸沢へ向かう過酷なルートです。今回は遠回りの楽なルートに進みます。
屏風岩。確かに屏風を広げたようなでかい岩。あれを登ろうとする変態もいるのでしょう。気持ちはわかります。笑 ちらほらと紅葉のおめかしで綺麗な岩です。
それにしても登山者の多さに驚きます。登山する人ってこんなにいたの?
涸沢カールが見え始めるぐらいから紅葉が本領発揮です。黄色の世界にわずかな橙色でとても綺麗です。
11:30涸沢カール到着。来てみたかった紅葉の涸沢カール。台風の強風で散ってしまったようでピークは過ぎていますが絶景に変わりはありません。テント場は岩だらけで、数に限りのあるレンタルのベニヤ板をゲットできるかが肝のようです。
涸沢小屋から絶景を見ながらランチタイムです。上高地から比較的楽に来れるので、みんなが来たがる理由もわかります。ここからのモルゲンロートはまた後日きます!今回は重たい腰をあげてさらに先へ、穂高山荘のテント場目指して登ります。
涸沢カール→穂高山荘
どこを見ても絶景ですが登りがしんどいです。
この辺からザイテングラード。手も使いながら登りますが、21kgの荷物が本当につらい。2ヶ月ぶりの登山だからいつもより足は重いです。
足を踏み外せば危ない箇所も多数あるので、バランスに気を付けながら一歩一歩慎重に足を運びます。
後ろを見れば涸沢カールの絶景。
14:30穂高山荘到着。私がついた時には7割ほどテントが埋まっていて、その後1時間ほどすると張る場所がなくて困っている人たちが増えてきていました。ヘリポートを解放して、協力して詰めて張ることで、何とかみんな場所を確保できたようでよかったです。
着いた時はガスで山々が見えませんでしたが、ほどなくして顔を出してきました。恥ずかしがり屋の前穂高さん。休憩もほどほどに涸沢岳を目指して登ります。
涸沢岳から見る日の入り
空荷でらくらく登頂するも、涸沢岳山頂はガスの中です。
山の天気は変わりやすい。ガスが晴れ、きました絶景。ブロッケン現象だけでも興奮するのに、さらに白い虹という大コンボ。白い虹って何!?そんな現象初耳で初見でした。
雲海と一緒にパシャり。アウターのカラーがイマイチだったから、寒さを我慢して薄着で撮影しています。
雲海の中から槍さんがひょっこり出てきました。この縦走路はとても楽しそうです。
黄色く染まる奥穂高岳。
1日が終わる、黄色から橙色へ変わる瞬間。
マイホームへ帰ってきて、やっとディナータイムです。夕日を見て夜に星をみようと思うと時間ってあるようでないです。夜に備えて少し寝ます。
20:00就寝
涸沢岳での星空撮影
23:00に目が覚めたので、星空撮影のために涸沢岳へ。天の川も見えますが、F4のレンズだとちょっと薄いです。新月でもっと見えるかと思っていましたが、街明かりが強いのかな?まぁ十分綺麗ですし、欲張りすぎですね。
綺麗に星がとれないので、趣向を変えてシルエット撮り。好きな一枚が撮れました。ただ、完全に体を静止しないと被写体ブレするから難しいです。1時間ぐらい楽しんだので下山して明日に備えてまた寝ます。
1:30就寝
2日目~穂高岳山荘からジャンダルムを楽しんで上高地へ~
コースタイム
03:30起床
06:00穂高岳山荘→06:45奥穂高岳→ジャンダルム往復→08:50奥穂高岳→10:45前穂高岳→13:00岳沢小屋→15:00上高地(バス待ち20分)
登山時間:8時間(標準タイム9時間20分)0.85
穂高山荘→奥穂高岳
03:30起床
みんな行動が早いです。起きた時には奥穂高岳を登る光と、ほとんどのテントに光がついていました。少しづつ朝が近づいてきています。
ご来光前のゴールデンタイム。細くて綺麗な三日月と、地球の反射により見えている月の暗い部分。望遠が欲しかったです。
後ろを見れば地球影。やはり空気が澄んでいるのか色合いがはっきりと濃いです。
生まれました。奥穂高岳から見ようと思っていましたが、準備が間に合わなかったです。
奥穂高岳を目指して登ります。両手を使いながら登る必要があるので、気は抜けません。
振り返ると槍さん。
浮石も多く歩きにくいので注意が必要です。あと少しで奥穂高岳山頂!
奥穂高岳⇔ジャンダルム
奥穂高岳から見るジャンダルム。時間がなかったら行かないつもりでしたが、この景色を見たらもう行くしかない気持ちになりました。どう見ても山が呼んでいます。空荷でカメラはもってルンルン気分で向かいます!
近づかないとどこにルートがあるのかわからないので、困難なルートだと予想できます。前を進む女性二人組は楽しそうにどんどん進んでいてすごかったです。
気の休まる暇なんてなし!ボルダリングで鍛えた力を発揮してがしがし進みます。一手一手はそんなに難しくないですが、基本的に落ちたら終わりなのでアドレナリン全開です。
ほぼ壁のジャンダルム。裏側に簡単に登れるルートがあるのですが、見逃してしまって直登しました。
山頂にひっそりといる天使さん。世界に光を注いでいるようなこの写真をずっと撮りたかったのです。え、ここって3163mもあるの!?
涸沢方向。
気を引き締めて戻ります。
馬の背。上の人のところから私のところまで一直線のルート。ここを登って下らないといけないルートです。一番怖いと言われている場所みたいです。
みんな集中しています。
08:50奥穂高岳に帰還。やっと帰ってきて一安心です。
奥穂高岳→岳沢小屋
さてここから一気に下ります。下山ルートも岩場が多く、集中が必要です。
はるか遠く、あれが終点の上高地かな?
前穂高岳が見えてきました!
前穂高岳往復ポイント。みなさんここで休憩していたり、ザックをデポして前穂高岳に登ったりと思い思いの行動をしています。
空荷で山頂を目指します。この往復も、危険個所が多数あり気軽な気持ちではいけないルートです。
10:45山頂!ジャンダルムの後だったので感動が薄かったのは内緒です。
さくっと下山。
あらためて岳沢小屋へ!
やっと気を引き締めなくてもいいルートですが、荷物が重く足取りは重いのでこけないように慎重に進みます。
岳沢小屋が見えてきました!
13:00岳沢小屋到着。遠かった。あんな高いところからよくおりてきました。
昼ごはんのカレーがうまいんだ。暖かい米が体に染み渡る。ただ、足りないよ!
岳沢小屋→上高地
やっと平和な道ですが疲れがピーク。早く帰りたいよー。
石と紅葉と岩の三色が綺麗です。
樹林帯を超えると、
一般のお客さんもいる道!もう着いたようなものですが、足が死にそうです。
上高地は簡単に絶景がみれてずるいですね。
15:00バス停に到着!バス待ちで20分ほど待ちました。沢渡行はさらに長いバス待ちでした。
感想
本当にいい山でした。(多分どの山でも同じ感想です。笑)
印象的だったのはジャンダルムの恐怖。決して舐めていたわけではありませんが、非日常感が半端なかったです。
たまにしかできないテント泊。どんな時でも山は絶景を見せてくれます。何でこんなにも山に惹かれるんでしょうね?
今回の山行で活躍した道具
カメラ装備
カメラバッグは自力で編み出した方法で使っていますが、本当に便利です。
カメラバッグはとても便利。
α7IIは登山にはかかせません。kuromenboo.hatenablog.com
目に映る世界全てを撮れる画角。
登山装備
ファイントラック、アクティブスキン。雪山、沢登でも使える暖かいやつ。
ヘルメットはぺツルのボレオがフィットしました。