池郷川の沢登りは上流から、上部、中部、下部と分かれており、そのどれもが沢4級以上の高難易度です。その上部に行ってきました。
私が石川県に転勤が決まったので、お別れ会も兼ねた沢登りです。5級の沢でBBQパーティは、多分誰もしてないでしょう。沢で始まり沢で終わる、そんなメンバー、最高です!
一期一会とはよく言ったもので、いつの間にか出会ったメンバーと、何の悔いもなく全力で楽しめました。
池郷川上部は、入口に圧倒的なゴルジュ、その先にはボス滝が待ち構えております。関西最後の沢登り、池郷川制覇ラストの上部です!
レベル:沢5級
オススメ度:★★★★★
場所:奈良県
日程:2018年5月12日(土)
人数:4人
所要時間:12時間30分
心に残る自然との対峙
池郷川上部入口の圧倒的なゴルジュ。あの木の位置まで水があったということ?ヤバすぎます。
ボス滝、モアイ。
ボス滝。とても綺麗な釜があるのですが、水量が多いため遊泳を楽しめず。
お別れ会は沢でBBQ。幸せです。
最高のメンバーに出会えて幸せです。一人だと絶対に出来なかった経験ができました。
計画
ルート
06:30駐車地→07:15入渓→07:45池郷川上部入口→09:00ボス滝モアイ→10:20ボス滝2→12:20突破、2時間BBQ、14:20出発→15:20終了地点で引き返す→ボス滝2を登り返すことになり時間ロス→17:30モアイ→19:00駐車地
登山時間:12時間30分
駐車場
林道の行き止まり地点に駐車しました。地図上道はありますが、この先(西側)は行き止まりです。
装備
- 服装上(インナー、セミドライスーツ上下一体)
- 服装下(アクティブスキン、セミドライスーツ上下一体、半ズボン)
- 足元(サワーシューズ)
- 防水カメラ
- ヘルメット
- 昼ごはん
- ドリンク
- 緊急用(タオル、緊急セット)使用せず
沢道具。リードは隊長に任せていたので、後続用装備のみ。
リード用装備など(隊長任せ)。カムでの支点構築多数必要でした。
- カム各種
- クイックドロー数本
- ザイル50m
- ザイル30m
- アッセンダー
- アブミ
- ハーケン各種
- 手ヒレ
沢登り
06:30駐車地。関西最後の沢登り、私が主役のようです。
通い慣れた林道を進み、沢目指して下ります。
すこーし水が流れている枝沢から降りれば、
07:15入渓。大又谷入口です。
通過して、池郷川まで下ります。
一度、池郷川上部の偵察で同じルートを行ったのですが、前より水量が多い気がします。
07:45池郷川上部入口。やはり前より水量が多い!これは大変な沢登りになりそうです。
ここからは基本泳ぎで、ウェットスーツがなければ死ねる冷たさです。
一度記念にと思って見にきた場所です。まさかここを遡行する日が来るとは思いもしませんでした。圧倒的なゴルジュ。木が引っかかっている場所まで水が流れていたことがあるということで、凄まじさを物語っています。
手ヒレ借りました。水量が多いため流れが強く、これがなかったら泳ぎで敗退もあり得たかもしれません。
何とか泳ぎ切り、後続はロープで楽々運搬です。
水量が多いので、小滝も非常に手強く、全く気が抜けませんし、隊長がまさかの滑落!怪我がなくて良かった。
この場所は下る時もやらしい難しさでした。
ゴルジュを進んで行くと、1体目のボスが見えてきました。
09:00第一ボス、モアイ!
流れが強く、近づくこともできません。近づけたとしても、最初のオーバーハングが強くて水線直登は難しいでしょう。
右岸から巻きます。
先頭で行きましたが、
結局譲って隊長がトップで登り、私は回収係です。
10:20 モアイを登るとすぐ第二のボス。開けたゴルジュにいらっしゃる綺麗な滝です。
モアイの上で記念撮影。
中々のウォータースライダーです。
直登はもちろん無理なので、左岸から取り付きます。
アイテムなしでは無理で、残置ボルトにアブミをかけて突破。
日向ぼっこしながらビレイしてます。寒いから太陽が心地よいんですよね。
落ちても水だから大丈夫なのですが、流されたらモアイのウォータースライダーに一直線です。
やはり水量多いよなー
水量多くて流されそうで、取り付くのも少し怖いです。アッセンダーも使ったりして、完全に人工登攀ですね。
12:20滝上到着。全員突破に2時間かかりました。
太陽がポカポカ暖かいので、ここでBBQスタートです。2時間のんびり楽しみました。焚き火台から、食材から、何から何まで準備してもらえて感謝です。5級の沢とは思えないです。
軽く水浴び〜寒くはないんです、痛いんです。
何と米まであるのです!そして極厚の肉!
これぞゴルジュ焼き!一生忘れられないBBQです。
14:40ぼちぼち先に進みます。少し行けばゴールです。
この勢いの強い滝、特に危険のない場所なのですが、
足を滑らせてまさかの落下でウォータースライダー!無事で本当によかった。気を引き締めて行きましょう!
ラスト滝。
直登は無理なので右岸からサクッと登ります。
15:20遡行終了。これにて池郷川上部、中部、下部、全て制覇しました。(連れて行ってもらっただけですが…)
来た道を戻ります。サクッと降ったのはいいのですが、
モアイの来たルートから下っても、流れに勝てずに登り返すハメになると判断し、ボス2を登り返して、巻いて上から懸垂加工することに。
2回目ともなるとあっという間です。
中々の高巻きです。
3回懸垂で下まで降ります。
17:30なかなかの高さを懸垂加工し、何とかモアイの滝下まで来ました。
流されないよう気をつけながら進みます。
もう見納めのゴルジュ。やはり圧倒的だ。
行きに苦労した小滝は念のため懸垂加工で下ります。残置ハーケンでの懸垂なので、衝撃注意。
暗くなってきたのでサクッと。
19:00遡行終了。関西の沢登りの楽しい思い出を、本当にありがとうございました。
また会う日を思って抱き合います。笑
さらば!
活躍した沢登り道具
沢登り装備は色々試してきて、自分に合った装備がわかってきました。 kuromenboo.hatenablog.com
今回は通常の登山リュックを代用していますが、後日この防水リュックを購入して使っています。完全防水で水は入ってきませんし、重量が軽いので、沢登り以外にも使い勝手がよく日帰り登山ではよく使ってます。
今回の沢靴はサワーシューズでしたが、ラバーソールのサワタビの方がオススメです。ただ、安いのは良かったですが、ソールが薄いので長時間歩くと足裏が痛くなります。
今回のハーネスはモンベルの、サワークライムシットハーネスを使用していましたが、ロッククライミング用がオススメです。強度も高く、カラビナをかける場所も最適化されてるし、重さは気になりません。
ロープで確保しながら登るとき用のマイクロトラクション。滑りが抜群に良く、小さいので買って良かった一つです。ロープに固定し、登る側には動くが、落ちる側では止まり、安全を確保できます。
沢で使っている防水カメラはこれです。大きな不満はなく、マクロ撮影もできて便利です。
防水カメラの水滴対策はこれに決まり!
アクティブスキン上下。通常の登山であれば保温性を感じますが、泳ぎメインの沢で完全に濡れて乾く暇もなければ保温性はほとんどなく、お守りみたいな感じですが、着てます。