池郷川の沢登りは上流から、上部、中部、下部と分かれており、そのどれもが沢4級以上の高難易度です。その下部に行ってきました。
開始時の気温は6度。ウェットスーツが必須ですし、夏でも水は冷たい場所です。
この日は水量が多く直登が出来なかったので、巻きばかりの沢登りでしたが、ここ登るの?不動滝、流されると滝まで一直線、滑落したら終わりな巻道、アドレナリン全開で楽しめました。
レベル:沢4級上
オススメ度:★★★★★
場所:奈良県
日程:2018年5月5日(土)
人数:4人
所要時間:12時間
心に残る自然との対峙
不動滝。水量が多くて、落ちたら流されて滝まで一直線。
滝下からの景色。泳げる流れではありません。シビれます。
滝を越えた先にある平和なゴルジュの泳ぎ。エメラルドグリーンのオアシスです。
エコ滝。やっぱり直登無理だよなーと、巻道を選びましたが、これが難所!幅40cm程の横は崖、今までで1番怖い巻道でした。
計画
ルート
06:40駐車地→07:10大ゴルジュ入口→07:20 7m滝(巻き)→08:00不動滝(巻き)→10:10攻略!→13:20 3m滝(巻き)→15:10エコ滝(巻き)→16:30ネジレ滝(巻き)→16:50堰堤で林道へ→18:40駐車地
登山時間:12時間
駐車場
地図に道はないですが、入渓地点近くまで林道があるので、そこに駐車しました。
装備
- 服装上(インナー、セミドライスーツ上下一体)
- 服装下(アクティブスキン、セミドライスーツ上下一体、半ズボン)
- 足元(サワーシューズ)
- 防水カメラ
- ヘルメット
- 昼ごはん
- ドリンク
- 緊急用(タオル、緊急セット)使用せず
沢道具。リードは隊長に任せていたので、後続用装備のみ。回収用にゴルジュハンマーは使用。
リード用装備など(隊長任せ)。カムでの支点構築多数必要でした。
- カム各種
- クイックドロー数本
- ザイル50m
- ザイル30m
- アッセンダー
登攀で使用した道具たち(隊長)
沢登り
06:40駐車地出発。YAMAPで知り合い、もう何度も沢登りした信頼できるメンバーです。水温はめちゃ冷たいので、ウェットスーツ必須です!私はセミドライなので、全然寒くなかったです。
サクッと行けば、
07:10大ゴルジュ入口到着。異様な空洞が待ち構えており、胸が高まります。
いざ、ゴルジュへ!
周りの壁がデカすぎるんだ。何がどうなってこの形状が形成されたのか。
門番3m滝。大変そうに見えますが、ロープ不要で通過。
07:20その先にある7m滝。水量多すぎて近づくこともできませんし、下手したら下まで流されてしまう勢いです。
右岸の岩場から巻きます。難易度は高くないですが、落ちたら命に関わるのでロープ出してくれました。
08:10不動滝。この大ゴルジュの本命の滝です。水量が多くて、これ見た時、戻るという選択肢も考えましたが、
隊長は行ける!と判断!懸垂加工できる残置支点をお借りして、攻めます。水に流されると7m滝まで一直線なので、ビレイの判断に力が入ります。
第一テラス到着。ハーケンが何箇所かキマったようで、支点は沢山なので一安心です。
第一テラスからビレイするために、次に私が行きます。下から見る不動滝の迫力と、落ちた時の不安感と、緊張感が良いです。
上から撮ってもらいました。後続はロープで安心ですが、難易度は高くないです。
隊長頼みます!
外から見るとルートがあるとは思えない所を登ってます。ビレイ地点からは隊長の姿が見えないので、ロープの感触を頼りにロープを操作します。
水飛沫が異常に強くて、綺麗な虹が常に見えました。この位置での停滞は、セミドライスーツじゃなかったら寒すぎて終わってたかもしれません。
隊長第二テラスに到着!もう攻略したようなものです。
待機してた2人に先に行ってもらいます。私は支点回収担当なので、ここで待機です。まずは懸垂加工して、落ちたら流される川をジャンプしてこちら側にきて、登ってきます。
行ってらっしゃい!
下から撮った写真は、やはり迫力が半端ないです。水量が少ない日は、この滝壺で泳いで遊べるみたいですが、ちょっと想像できない。
滝の流れ方向、すぐ下には7m滝があるし、流れは早いので、一瞬でドボンですね。
やっと私の番が回ってきました!回収しながら登ります。以外に登りやすいですが、ロープがなかったら緊張感すごそうです。
第二テラスにきました!ひと安心です。
後は軽く登れば滝上です。
10:10、2時間かけてやっと突破です。隊長有難うございます。私は不動滝見た時帰ろうかと思いましたよ。
その先へ進みます。まず対岸に渡る必要がありますが、流れが早く、落ちたら不動滝という恐ろしや。ロープで安全を確保しながら必死に渡ります。
慎重に、滑らないように。岩に苔はなくグリップは効きます。
堰堤に到着。
この右岸側には、トンネルが!ここを使えば不動滝を安全に巻くことも可能ですが、ずるですな。
この池郷川、昔はもっと水量があったようで、随所にその削れた跡が見られます。よくそこに堰堤を築いたなーととてつもなく凄いと思います。
堰堤を潜って反対側に行くのですが、首がやられるかと思いました。鞭打ち一歩手前です。
堰堤を越えた先は別世界。緊張感走る滝登りが嘘のような、平和な世界です。
エメラルドグリーンの綺麗な水をのんびり。
実際はとてつもなく冷たいですが、綺麗です。
泳ぎタイムが終わると、小さめな滝がいくつか出てきますが、水量が多いので、小さい滝も苦戦します。
気を抜いたら流れに押し返されるので、大変です。
13:20 3m滝に来ました。
過去の記録では直登できるはずなのですが、水量が多すぎて滝に近づくこともできず、寒さもあって断念。
巻きルートを探索します。ルートファインディングして、狙った通りに行けた時は嬉しいですよね。そんなに難しくなく巻きます。
岩のホールド感は良いので、登りやすそうだったんですが、直登できず残念です。
ここから巻いてきました。
次のボスキャラが見えてきました。
15:10エコ滝。直登できそうな雰囲気はあるのですが、まず流れが強くて近づけません。巻きます。
この巻道は今までで1番恐怖を感じた巻きでした。崖スレスレに何とか道があるルートなのですが、40cmぐらいの足場しかないし、崖にホールドあまりないし、落ちたら終わりな高さだし。
何とか懸垂加工できる木があり、下に降ります。このルート、いつか使えなくなるんじゃないだろうか。
命懸けの巻道が終わり、平和にテクテク進むと。
16:30ネジレ滝。これも近づくまでもなく、水量多すぎだ。
比較的簡単に巻けました。
16:50堰堤にて終了。
林道目指して登りますが、陸に上がった魚たちは水がなければ暑さにやられるのです。
ガードレール地点から出てきて、後は平和な道を話しながら歩くだけです。この沢登を終えた後ののんびりおしゃべりタイムも好きです。
18:40駐車地到着。ありがとうございました。
奈良県の魅力は沢登りと言ってもいいほど、素晴らしい沢で溢れています。特にこの池郷川は名前がかっこいいし、難易度高いし、楽しい!おすすめですが、レベルは高いので、安易な気持ちでは行かないようにして下さい。
活躍した沢登り道具
沢登り装備は色々試してきて、自分に合った装備がわかってきました。 kuromenboo.hatenablog.com
今回は通常の登山リュックを代用していますが、後日この防水リュックを購入して使っています。完全防水で水は入ってきませんし、重量が軽いので、沢登り以外にも使い勝手がよく日帰り登山ではよく使ってます。
今回の沢靴はサワーシューズでしたが、ラバーソールのサワタビの方がオススメです。ただ、安いのは良かったですが、ソールが薄いので長時間歩くと足裏が痛くなります。
今回のハーネスはモンベルの、サワークライムシットハーネスを使用していましたが、ロッククライミング用がオススメです。強度も高く、カラビナをかける場所も最適化されてるし、重さは気になりません。
ロープで確保しながら登るとき用のマイクロトラクション。滑りが抜群に良く、小さいので買って良かった一つです。ロープに固定し、登る側には動くが、落ちる側では止まり、安全を確保できます。
沢で使っている防水カメラはこれです。大きな不満はなく、マクロ撮影もできて便利です。
アクティブスキン上下。通常の登山であれば保温性を感じますが、泳ぎメインの沢で完全に濡れて乾く暇もなければ保温性はほとんどなく、お守りみたいな感じですが、来てます。ウェットスーツ必須です。